「広島カープを誇りに思う。⑶ 」人と人柄をどんだけ大事にしているのかという話。

広島カープ3部作の最後です。

広島カープの大瀬良投手という活躍している選手がいます。その大瀬良投手を高校時代から追っかけていたのが、広島カープの田村スカウトという人です。

ドラフトの当日、3球団が1位指名をしました。なんで、抽選です。抽選は大体が球団の上役さんか人気監督です。広島が大瀬良の抽選に送り出したのが、彼を7年間に渡り見続けて1位指名にまで評価した田村スカウトでした。ずっと追っかけてきた広島にしてみれば、にわかに評価した球団に渡すことはできないという思いは人一倍強く、特に、担当スカウトは一番見てきた自負がありますので、他球団に取られることは受け入れがたいものです。

広島が抽選に、その田村スカウトを出してきたのは、野球に詳しい人は分かることですが、異例なんです。普通は球団幹部、監督がくじを引くものなんで。しかし、広島は、「見続けたお前がくじを引け。」となったのです。

 

くじになりました。確率は3分の1。くじ引きが始まりました。当たりのくじが入った封筒は一つだけ。2つははずれです。3球団がくじを引きました。開封がはじまり、指名確定の文字の入ったくじを当てたのは、広島カープの田村スカウトでした。極度の緊張とやったとの拳と、アンバランスの中に、田村スカウトの想いが凝縮されていたように見えました。

あまりにドラマチックな結末に、みんなが感嘆の声が上がったのを覚えています。

 

広島カープとは、そういう球団なんですよね。凄いです。

ちなみに言っておきますが、私はけっして、広島カープのファンではありません。あしからず。