逸話「ほとけの中村」と言われた中村明人さん

中村明人は、大日本帝国陸軍の軍人でありタイ王国の駐屯軍司令官だった人です。

戦時中、日本とタイは同盟国でした。しかし、戦況が不利になると、状況は一変します。そんな状況の中、中村さんは司令官につきます。当時、タイには抗日組織がありました。戦況が不利になると、厳しい締め付けが行われるもので、軍人が武力で統治することを考えがちです。

しかし、司令官である、中村中将は「戦争は一時的なごと。長い目で日本とタイ関係を見ると相互に戦争や占領という汚点は残すべきでない。」として強硬派を抑えます。結果、戦争終結まで血が流れることなく、戦後も日本とタイの良好な関係は続くのです。

戦後、中村さんはA級戦犯として巣鴨プリズンに送られます。しかし、釈放されます。その後、企業人としてご活躍されるのです。

 

優秀な人は見えているものが違うのです。中村さんには、今を見ていながら、日本とタイの50年後100年後が見えていたのです。

今も大事ですが、5年10年50年後もちゃんと見るのが経営者や管理職なんでしょうね。