接遇もコンセプトが命ですね、やっぱし。

コンセプトを決定する

 法人は接遇を始めるにあたり、何を目的とし、どんな戦略で持つのかを、しっかり、決めなければならない。中途半端な目的と中途半端な戦略は、経営者を混乱させ、関係者の共感を得ることはできない。そのようなまま、プロジェクトがスタートしてしまうと結果は、望んだものとは遠うものになる可能性が高い。一度失敗してしまったプロジェクトを再度行うことは、極めて難しい。そのためには、接遇を何を目的とし、どんな戦略を持つかが重要になる。

法人は、接遇という範囲の広い概念の中のどこまでも行いたいのか、決定しなければならない。

WJUが推薦する選択肢は4つ。

  1. 接客とマナーに絞って行う。
  2. 接遇を、気遣いなどの顧客満足や職場環境の整備や職場の人間関係までに広げて行う。
  3. 接遇をマネジメントシステムとして、C-PDCAサイクルを回しながら継続的改善を行う。
  4. 人事考課制度を連携させて、処遇に反映させることで、接遇を業務の一部にする。
  • 4つの選択肢のうち、どれを行なっても、法人関係者は、「うちの法人では、接遇委員会を立ち上げ、接遇向上に努めている。」と答える。接遇にはレベルがあることを理解しなければならない。
  • せっかく「接遇委員会」を立ち上げ、「接遇インストラクター」を育てていくことを決めたのに、一向に接遇教育が院内に浸透せず、試みが頓挫してしまうことが多い。また、定期的に「接遇勉強会」を開催してはいるものの、その内容が本当に正しく、院内で定着されているかが分からないという問題が多くみられてしまう。

講師から一言

 元々、この企画をHMSさんにお願いしたのには理由があります。私のお客様から、「接遇委員会を立ち上げたのだが、上手く行かない。どうしたら、いいですか?」いろいろお話を聞き、私は、「一番いいのは、カルチャー(文化)にしてしまうことだよね。」と答えると、「どうやって?」と。「そうだね、説明が足りませんでしたね。」と言って、上述のWJUが推薦する4つの選択肢を書いて説明したことがきっかけです。

 私は、法人が覚悟を決めて行えるのであれば、接遇を法人のカルチャー(文化)にすることが、法人にとって、最も望まれることではないかと考えています。ポイントは、マネジメントシステムにすることと人事制度をシンクロさせることだと思いました。マネジメントシステムと人事制度ということになると世の中に数多(あまた)いる接遇コンサルタントさんたちでは話ができないことがあると考えて企画し、山下さんと岡元さんにお手伝いいただき、企画としてHMSさんにお願いしました。