社会福祉法人と特養の政策の変遷を簡単にまとめました。

社会福祉法人の宿命と国の政策

  1. 「制度ビジネス」の宿命を負っている。
  2. 「公的な機関」であるため、国の財政状況に影響を受ける。宿命を負っている。
  3. 「行政の支配下」を受ける宿命を負っている。

そして、国は、以下のような政策転換を進めてきた。

  1. 社会保障の老人介護を、公助から共助(保険費)という概念の下、介護保険事業とした。
  2. 介護保険事業を、第一種事業と第二種事業に分け、第二種事業については広く民間に開放した。
  3. 年々膨らむ医療保険と介護保険事業について、必要な額を手当てする政策を止めた。
  4. 護送船団方式から、法人ごとの創意工夫による経営に方針変更を行った。
  5. 再三のように、社会福祉法人に対する課税議論があり、非課税を守って来た。
  6. 施設から街へ、地域包括ケアシステムがメインストリームになった。
  7. 地域包括ケアシステムに合わせ、小規模多機能、24時間定期巡回など、新しいサービスを創設した。
  8. 有老、サ高住など、民間活力を使ったサービスを支持した。
  9. 医療において、地域医療構想による、病床数の適正化と機能分化を進めることとした。
  10. 地域医療連携推進法人が創設された。介護についても地域福祉連携推進法人を標榜している。
  11. 保険者の機能強化と権限強化を始めている。
  12. 地域共生社会と言う、新しい概念が提唱され、法整備を進めることとなった。
  13. 外国人実習生・外国人技能訓練を広く受け入れることとした。
  14. 働き方改革を強力に進める意志表示がされた。
  15. 5Gなどの技術革新により、ICT、IoTを使った経営を推奨し、国の成長戦略の柱としている。

特養の場合

  • 報酬改定ごとに単価が下げられて来た。
  • 国が入所の条件を、原則、要介護3以上とした。
  • 社会福祉法人の、多額の内部留保、動かない古い体質の象徴としてクローズアップされた。
  • 建物の建設コストが莫大な費用となり、補助金等が付けられない。

なぜ、特養が利益の上がらない事業になったか

  1. 有老、サ高住に軽度の内に囲われる。中重度になっても、住み慣れた有老から移っては来ない。
  2. 中重度化による、死亡退所の年齢と平均入所年齢が3歳以内になり、年間2割が入れ替わる。
  3. 中重度化により、誤嚥性肺炎、尿路感染、栄養不足などから入院が増え、収入減になる。
  4. 小規模多機能の増加により、在宅でも看取りができるようになって来ている。
  5. 小規模多機能の増加により、ショートの利用者が減少している。
  6. 平均利益率が2.5%程度しかなく、稼働率低下や職員の加配で、簡単に赤字になる。
  7. 食材、水道光熱費、介護用品、衛生品、日用品などの購入価格が上がっている。
  8. 給食などの委託費用が人手不足のために諸費用が上がっている。
  9. 職員採用のために、派遣会社、紹介会社などに費用を支出している。
  10. 2019年10月から消費税が2%上がる。

これから、特養は、どんなサービスを提供するところになるのか

この先は、いずれ、どこかで、、、、、