フィルムの巨人Kodakの崩壊と富士フィルムの躍進から何を学ぶべきか? ①

この仕事をしていると、医療法人・社会福祉法人・株式会社のみなさんに、経営を考える題材として、何がいいかを考えます。その時に一番のケーススタディになるのは、富士フィルムという会社です。パラダイムシフトの中で、生き残るだけではなく、地獄の口が開いた時に、それを土台として飛躍するというマジックのようなことをやってのけた会社です。英雄がいれば引き立て役がいるもので、その役をするのが、フィルムの巨人、イーストマン・コダック社です。世界のシェアを抑えていたコダックは、2012年1月に倒産します。

10年前までフィルムの世界シェア No.1だった会社が10年で倒産するのです。こんなことが理解できるでしょうか? なぜなら、2001年まで、フィルムのマーケットは、年率 5%程度成長していたからです。

 

では、何が、世界NO.1の会社を滅ぼし、後塵を拝していた富士フィルムが苦境をバネに躍進したのでしょうか? 

結論は、経営者の違いであり、社員の違いです。

富士フィルムは、まさに劇的に変化するマーケットに、社内を大変革し、フィルム中心の事業を、医療、LCD、半導体、ITの会社に変えたのです。私が一番感銘を受けるのは、経営者の強い決意です。この経営者は、「変化を恐れず、自法人の強みを生かし新しい分野に挑戦する」信じられないほど過酷なマーケットに果敢に挑んだ歴史です。

富士フィルムのHPには、以下のように書かれています。「写真フィルム国産化を目指してスタートした富士写真フイルムの歴史は『苦悩』と『果敢なチャレンジ』が交錯するスリリングな歴史であった」と。

みなさんは、樹木希林と岸本加世子の富士フィルムの宣伝をおぼろげながら覚えていると思います。「写ルンです」です。しかし、今の富士フィルムのテレビ宣伝は、医療関係の新製品のCMをご覧になるはずです。

 

医療・福祉の経営者の方にお伝えしたいのは、「医療・介護・障がいの各事業は、大きな大変革期を迎えています。勝ち残る法人は、気合と根性ではなく、冷静に自法人のドミナントを分析し、変化を恐れず、果敢に挑戦することが求められています。」

今は、戦国時代の幕開けです。もはや、室町幕府に統治する力はありません。戦国大名が地域を支配する時代の始まりです。これからは、知恵と勇気とマネジメントが勝負です。

そして、戦国時代が終わってしまえば、もうチャンスはありません。仙台の伊達政宗をみれば分かります。もし、政宗が20年早く生まれていたら、果たして徳川幕府があったかどうか分からないと言われています。

 

では、もう少し、富士フィルムの変革の歴史をみてみましょう。

と、思いましたが、時間切れです。

続く、、、。