経営者は、真摯に現実を理解して、真正面から向き合う覚悟をしていただきました。ありがたいことです。

私の仕事は、通常だと、現状調査を行い、報告書を作成し、日をおいて法人役員に集まっていただき、報告&提案をします。しかし、今回は、報告会(報告書&提案)は中止して、即対応を経営者の方にお願いしました。今回の案件は、経営者の方が現実を理解して改善する意志がない場合は、お取引は中止て、お金をお返しして撤収するので。
 
経営者の方は私とのお話し中、放心状態でした。法人NO.2の統括部長は、いたたまれない様子で、下を向いたまま、ただただメモされていました。「経営者不在の状態でしたね、理事長、OOさん。」とお話ししました。夜中に来たメールには、「本間さんが帰られたあと、放心と自戒で4時間の時間が過ぎた。」と書いてありました。そして、経営者は、「これは、理事長マターであると考えました。施設長、管理職の任せるのではなく、全て自ら行います。少々、お時間をお願いします。」とメールで意志をお伝えいただきました。
 
私からは、「今日、現実が分かり、一からやり直すことができるチャンスを得ることができたと考えればいいわけで、よかったじゃないですか、今日から改革すればいいんです。」「大丈夫です。理事長とOOさんが真摯に現実を理解して、真正面から向き合う覚悟をしたのですから、必ずや改革することができます。頑張ってください!」とお話しして帰りました。
 
 
職員イタンタビューの抜粋です。
  1. ハローワークに書いてある給与条件と実際の雇用条件は異なる。面接に来て「雇用条件が違うのでは?」と話しをしたら「あれは大卒です。」と言われた。しかし、書面には大卒とはどこにも書いていない。これは、騙して人を採用すると言われてもしょうがいないのではないか?
  2. デイサービスで雇用されたのに、訪問に異動になり夜勤をさせるのは、雇用条件と異なる。
  3. 残業が認められない。管理者から「残業代はつかないから。」と直接言われる。
  4. 女性の汚物入れをトイレに置いてほしい。
  5. 就業規則には休憩60分と書いてあるが、実際には30分程度とるのがやっと。1年間かけて、休憩1時間とためにはどうするかと会議している。会議するような問題ではない。法律に問題。
  6. 月の残業が 40時間〜80時間あるが、残業代は10時間程度しか認められない。なぜ残業が多いかというと、イベントや調整に時間が取られ、現場の業務が終わってから行うため。では、現場の業務を減らせばいいが、力量のある職員が辞めてしまって入らざるを得ない。では、なぜ辞めるかというと、働きにくいから。働きにくいとはどんなことかというと、評価されない、評価がちゃんとしていない、評価制度がない。残業がつかない。そのような職場環境が放置されたままになっているため、ある程度力がつくと優秀な人から辞めてゆき、現場には力量のない人が残っている状態。
  7. 職員の入れ替わりが激しく、いつも現場は新人がいるため、人数はいても役に立たない職員が必ずいて、いつも人手不足の状態。
  8. 信じられない上司がいて、まったくチックされずに放置されている。部屋にこもってゲームをしているところを見ている。(OOさんのこと)
  9. 保育園の園長なのに現場にいることはなく、法人の事務所にいる。保育のリスクを考えた場合、現場にいてほしい。
  10. 頑張っている人、優秀な人に法人はどんどん仕事を集めてさせる。結局、頑張っている人優秀な人は潰れてゆく。法人は残業代を払わないしフォローもしない。
  11. ここの管理者は一般職員の見本になっていない。そればかりか、なぜ、あんなに上から目線なのかわからないくらいの口のききかたをする。管理職の教育を一からやり直さないと人は仕事しない。
  12. 職員が定着しない。給与が安く、家族をもてない。ライフプランが立たない。
  13. 雇用通知には、社保、厚生年金、失業保険ありと書いてある。しかし、働き始めたら付いていない。文句を言ったらついた。これって常識では考えられない。
  14. 雇用契約が変更になったのに修正された雇用契約書がもらえない。どうかわったかわからない。
  15. 新しく入った人の方が給与がいい。古くから頑張っている人を大事にしない法人に忠誠心が出るわけがない。

以下、対応が必要です。

  1. モラルハザードへの即時対応
  2. OOさんへの聞き取り及び必要な処分
  3. 給与の格差見直し
  4. 人事制度・給与テーブルの再整備
  5. 各規定の見直し
  6. 内部統制の見直し
  7. 管理職の教育訓練
  8. 職員への周知

 

対岸の火事ではありませんよね。これからは、人を集めきれたとこと、人を大事にしたところ、人を育てきったところが生き残るのです

ブログをお読みの皆さんも、1.〜15. まで、法人の中を見直してみてください。