今日の午前3時に北海道で大きな地震がありました。幸い、WJUの札幌のスタッフは無事でした。ありがたいことです。
このブログを読み続けていらっしゃる方は覚えていると思います。「今、日本は、1000年に1回のスーパーサイクルに入っています。」
我々日本人は、スーパーサイクルの、真、真ん中で生活しています。
(熊本地震の直後のブログから)
お読みのみなさんの地域では、熊本のようなことが起こらないのでしょうか?お聞きになられたことはありませんか?「日本は、今、スーパーサイクルに入っている」そうです。日本は1000年に1回のスーパーサイクルです。スーパーサイクルは100年続くといわれています。
この事実も知っていましたか?869年(貞観11年)東北に大地震が発生しています。その9年後の878年に関東で大地震。その9年後の887年に東南海地震が発生し甚大な被害を与えています。多くの科学者が「日本は3.11以降、大変動期に入った可能性がある」と指摘しています。
850年 出羽国 地震( 日本海側に津波 )
856年 京都 地震
857年 霧島山 噴火( 韓国岳 )
860年 雲仙岳 噴火
863年 越中・越後方面に大地震
864年 富士山噴火 青木ケ原溶岩流
868年 神戸方面に大地震
869年 東北地方大地震 巨大津波(仙台平野深くまで、広く浸水)
871年 鳥海山噴火
878年 関東諸国に直下型の大震災
880年 出雲に大地震
881年 京都に大地震
887年 南海大地震 巨大津波
888年 八ヶ岳 山崩れ洪水 松原湖形成 死者多数
890年 京都に地震
915年 十和田湖の大噴火(過去2千年で、日本最大の噴火)
(史料は、菅原道真編集の類聚国史(るいじゅこくし)災異編)
○富士山 宝永の大噴火
3.11の4日後の3月15日夜、富士山直下で震度6の地震が発生している。多くの科学者が富士山が噴火するのではないかと緊張した。
O 宝永の大噴火
宝永の大噴火が始まる49日前に、M8.7クラスの大地震が発生。震源域は遠州沖と紀伊半島沖が同時発生と考えられている。宝永地震の翌日、富士宮を震源とする強い地震があり、駿河、甲斐に被害が発生。その後富士山山麓で地響きが始まり噴火に至る。火山灰は江戸まで到達、昼間にも灯篭やろうそくなどの明かりが必要となった。
【富士山が噴火した場合に想定される2種類の噴火】
① 溶岩流出型(864年貞観の大噴火 平安時代に発生)
② 火山灰噴出型(1707年宝永の大噴火 江戸時代に発生)
①の場合、避難はできるが被災した場合、影響は数年~数十年。
②の場合、多いところでは、数十センチの灰が積もり、建物の倒壊、停電、交通機関のマヒ、道路の通行止め、生活物資の不足などが起きると予測されている。そして、その影響は首都圏に及ぶ。また、火山灰による健康被害が大いに懸念されている。
覚えておいてください。「火山灰は水に流れません。火山灰は漏電するので停電します。10cm以上積もると木材の古い建物は倒壊の可能性があります。」富士山の周りにある社会福祉法人さんのBCPのコンセプトは「利用者、職員の家族ごと逃げる。」です。BCP・災害対策を整備したいと思ったら、ご連絡ください。コンサルティングしています。なぜなら、山梨県内にある障がい者施設だったとしてください。入所施設だと、今でも山の中にありますよね。で、火山灰にみまわれた場合、車は通れない、停電する、連絡はつかない。何が待っているか分かるはずです。判断を間違えると、自衛隊も来れない事態が想定され、全滅を覚悟しなければならないかもしれません。幸い、富士山が噴火するときは山が少しばかり膨らむそうですので、そなったら家族ごと諏訪湖の方向に向かって逃げるのです、家族ごと。当然、災害対策には空振りありです。ここまで動かすことができるのは、役員だけです。BCP・災害対策は経営者マターです。
【東日本大震災】
2011年3月11日14時46分、三陸沖の深さ約24kmを震源として発生。震源域は岩手県沖から茨城県沖の幅約200km、長さ約500kmの広範囲に及び、地震の規模を示すマグニチュードはM9.0を記録。M9.0は超巨大地震に分類され、19世紀終盤からの世界観測史上数回しか発生せず、1900年以降4番目の大きさであり、日本国内では観測史上最大の地震として記録された。この地震による死者・行方不明者数約1万9千人の大半は東北の3県が占めた。
この地震により、大規模な津波が発生。最大で海岸から内陸部6kmにまで浸水、岩手県三陸南部、宮城県、福島県浜通り北部では津波の高さが8m~9mに達し、最大遡上高40.1mを岩手県大船渡市で記録。この記録は1896年の明治三地震を上回った。また、宮城県北部で最大震度7、岩手県から千葉県にかけて震度6以上を記録。関東地方の埋め立て地を中心に大規模な液状化現象が発生した。一方東北太平洋岸では、地盤沈下による浸水被害が長期化し、余震も過去に例のないほどの発生を記録している。
さらに、従来には無かった、地震と津波による原子力発電所(福島第一原発)の事故により、現在も10万人を超える被災者が避難を余儀なくされている。
~当時の新聞報道より~
厚生労働省によると、被災した岩手、宮城、福島の3県で介護施設52か所が全半壊し、約490人の入居者が死亡・行方不明となった。ほとんどが津波の被害だった。
2011年の人口動態統計で、東日本大震災による死者は約1万9千人。
震災による死者のうち60歳以上は1万2006人で、約6割を占めた。
宮城県沿岸部で震災前の障害者手帳所持者は計2万9,185人(重複所有者含む)のうち障害者手帳所持者の3.5%にあたる1,027人が震災により死亡。同地域住民全体の死亡率との対比で2.5倍。
○東日本大震災の現場の実情
大槌町は町長はじめ40名の職員が命を落とした。⇒ 行政は機能を失った。
在宅の重度の要介護者は気温3℃の避難所で亡くなった。
要員が集まらない(参集規程は意味をなさなかった)。
ケアの継続に大きな支障をきたした。
ケア用品の不足。
栄養不足。
褥瘡が進む。
病院は命にかかわる人しか診てくれない。
災害援助協定は通用しなかった。
救援物資が各行政に届いても、処理する職員がいなかった。
自衛隊は活躍した。行政の変わりをしてくれた。しかしながら、人数が少なかった。
○仙台市内の社会福祉法人役員の方の話
考えていた通り、教訓は想定したとおりにはならなかった。災害援助協定書があっても機能しなかった。なぜなら広範囲で被災したから。多くの援助は遠くにいる個人的な知合いだった。
大阪・京都には連絡ついたが、仙台市内同士の連絡はつかなかった。県福祉課との連絡は山形経由で自分に連絡が来た。被災地の中から発信しても携帯はつながらない。「緊急時の情報ネットワークの構築」が必要。これは行政の仕事。
施設が使えず、利用者にラブホテルに一時的に入ってもらった。
ワンセグが観られたのは翌日だった。そして、はじめて大災害だと理解した。
ある看護師は気分が悪くなったおばあちゃんを病院に連れて行った。部屋にいて何の治療も受けなかった。院内は大混乱していて、病院に行かない方がよかった。
復旧が遅くなっている。理由は、すべてを施設長が行っているため属人的の対応。チームが必要。要員の訓練が必要。
宮城県南の法人で職員のご家族から訴訟が起こされている。
仙台市民は驚くほど、冷静で秩序正しく思い遣りがあった。
* 3.11で分かったことは従来のBCPが機能せず、多くの場合、担当者個人の「勘」「勇気」「経験」によって対処された。
【BCP・災害対策】
BCP・災害対策の見直しを、必ず、行ってください。
BCP・災害対策の心得 「一に訓練、二に訓練、三四が無くて、五に訓練」
BCP・災害対策はマニュアルではない、日常業務を行う「人」である。
BCP・災害対策は人によって遂行される。
BCP・災害対策は業務に組み込まれなければならない。
故に、周知と理解、そして訓練の良し悪しが勝負となる。
但し、BCP・災害対策は合理的な保証を提供するもので、絶対を保証するものではない。
リスクを感じない人にはリスクは存在しない。問題を感じない人には問題は存在しない。
法人と職員、ステークホルダーの期待に応えるため、そして何より子どもたちを守るために頑張りましょう。
BCP・災害対策は役員の任務懈怠責任(善管注意義務違反・忠実義務違反)の対象になります。
頑張ってください。