令和3年度介護報酬改定についての感想
1 厚労省への介護データの送信が必須となる改定
- 科学的介護情報システム(LIFEライフ)という名称で、利用者の生年月日やADL、栄養、口腔、認知症に関する利用者データを厚労省へ送信。その後フィードバックを受け、PDCAサイクルを回しながら事業所でのケアの質の向上を図る狙いがある。
- 「データ」が介護の仕事でどの程度意味を持つかまだはっきりせず、目先の利益だけ考えればデータ送信にコストと時間をかけない判断もあると思うが、介護記録システムを導入することによりデータ送信の流れに乗るべきである。介護記録システムの活用は、業務効率化には不可避と考える。
2 加算取得で利益に差がつく改定
- これまでの加算のみ取得をすればいいと考えると、収入は減る。たとえばこれまでデイサービスでは入浴をさせることにより50単位を得られたが、改定後は40単位となる。一方で自宅での入浴を可能とする機能訓練を行うと55単位を得られる。
- これまでの入浴サービスだけにこだわると、大きな収入減少となる。
- 加算は財政中立を考えて作られており、ある加算を新設すればその財源は既存加算を削って確保する。今の加算を取り続ければ、必然的に減収となる。
- さらに、先のデータ送信を要件とする機能訓練やリハビリに関する加算が多く生まれた。データ送信をしなければ加算を確保することはできない。
3 管理栄養士が活躍する改定
- 管理栄養士が看取り対応や褥瘡に関する加算などに関する会議のメンバーになる。
- 管理栄養士が活躍できる加算が、入所系、通所系に多く誕生した。