8月にHMSセミナーの講師をするんですが、ここを触ります。

各都道府県知事 殿

医政発 0324 第6号 令和4年3月 24 日

 厚生労働省医政局長

 (公 印 省 略)

地域医療構想の進め方について

地域医療構想については、これまで、「地域医療構想の進め方について」(平成 30 年2 月7日付け医政地発 0207 第1号厚生労働省医政局地域医療計画課長通知)及び「公立・ 公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等について」(令和2年1月 17 日付け医政発 0117 第4号厚生労働省医政局長通知)等に基づき、取組を進めていただいてきたところである。引き続き、これらの通知の記載を基本としつつ取組を進めていただく際に、追加的に留意いただく事項について、下記のとおり整理したので、貴職におかれては、これらの整理について御了知いただいた上で、地域医療構想の実現に向けた取組を進めるとともに、本通知の趣旨を貴管内市区町村、関係団体及び関係機関等へ周知いただくようお願いする。

なお、本通知は、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 245 条の4第1項の規定に基づく技術的助言であることを申し添える。

1.基本的な考え方

今後、各都道府県において第8次医療計画(2024 年度~2029 年度)の策定作業が 2023年度までかけて進められる際には、各地域で記載事項追加(新興感染症等対応)等に向け た検討や病床の機能分化・連携に関する議論等を行っていただく必要があるため、その作業と併せて、2022 年度及び 2023 年度において、地域医療構想に係る民間医療機関も含めた各医療機関の対応方針の策定や検証・見直しを行う。

 その際、各都道府県においては、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により病床の機能分化・連携等の重要性が改めて認識されたことを十分に考慮する。

また、2024 年度より医師の時間外労働の上限規制が適用され、2035 年度末に暫定特例水準を解消することとされており、各医療機関において上限規制を遵守しながら、同時に地域の医療提供体制の維持・確保を行うためには、医療機関内の取組に加え、各構想区域における地域医療構想の実現に向けた病床機能の分化・連携の取組など、地域全体での質が高く効率的で持続可能な医療提供体制の確保を図る取組を進めることが重要であることに十分留意する。

 なお、地域医療構想の推進の取組は、病床の削減や統廃合ありきではなく、各都道府県が、地域の実情を踏まえ、主体的に取組を進めるものである。

2.具体的な取組

「人口 100 万人以上の構想区域における公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等について」(令和3年7月1日付け医政発 0701 第 27 号厚生労働省医政局長通知) 2.(3)において、「公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等、地域医療構想の実現に向けた今後の工程に関しては、新型コロナウイルス感染症への対応状況に配慮しつつ、各地域において地域医療構想調整会議を主催する都道府県等とも協議を行いなが ら、厚生労働省において改めて整理の上、お示しすることとしている。」としていたことについては、2022 年度及び 2023 年度において、公立・公的・民間医療機関における対応方針の策定や検証・見直しを行うこととする。

このうち公立病院については、病院事業を設置する地方公共団体は、2021 年度末まで に総務省において策定する予定の「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病 院経営強化ガイドライン」を踏まえ、病院ごとに「公立病院経営強化プラン」を具体的対応方針として策定した上で、地域医療構想調整会議において協議する。

 また、民間医療機関を含め、議論の活性化を図るため、必要に応じて以下の観点も参照するとともに、重点支援区域の選定によるデータ分析等の技術的支援なども併せて活用し、議論を行う。

※ 民間医療機関を含めた議論の活性化を図るための観点の例(2020年3月19日の地域医療構想ワーキンググループにおける議論より)

・ 高度急性期・急性期機能を担う病床…厚生労働省の診療実績の分析に含まれていない手術の一部(胆嚢摘出手術や虫垂切除手術など)や内科的な診療実績(抗がん剤治療など)、地理的要因を踏まえた医療機関同士の距離

・ 回復期機能を担う病床…算定している入院料、公民の違いを踏まえた役割分担

・ 慢性期機能を担う病床…慢性期機能の継続の意向や介護保険施設等への転換の意向・状況

3.地域医療構想調整会議の運営

 今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、地域医療構想調整会議の運営に当たっては、感染防止対策を徹底するとともに、医療従事者等の負担に配慮する。

 年間の開催回数についても、必ずしも一律に年4回以上行うことを求めるものではないが、オンラインによる開催も検討し、必要な協議が十分に行われるよう留意する。

 また、感染防止対策の一環として会議の傍聴制限を行った場合には、会議資料や議事録等の公表について、とりわけ速やかに行うよう努める。

4.検討状況の公表等

検討状況については、定期的に公表を行う。具体的には、2022 年度においては、2022年9月末及び 2023 年3月末時点における検討状況を別紙様式に記入し、厚生労働省に報告するとともに、各都道府県においてはその報告内容を基にホームページ等で公表する。 なお、各都道府県ごとの検討状況については、今後、地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ等に報告することを予定している。

 また、様式に定める事項以外にも厚生労働省において、随時状況の把握を行う可能性がある。

5.重点支援区域

 重点支援区域については、都道府県からの申請を踏まえ、厚生労働省において選定しているが、今後、全ての都道府県に対して申請の意向を聞くことを予定している。

6.その他

 第8次医療計画の策定に向けては、現在、第8次医療計画等に関する検討会や同検討会の下のワーキンググループ等において「基本方針」や「医療計画作成指針」の見直しに関する議論を行っているが、この検討状況については適宜情報提供していく。