10月2日のレジメの冒頭です。

はじめに

 二年毎の診療報酬改定に一気一憂する病院関係者が多い。また、「今回の改定で、当病院もふるいにかけられる、経営が厳しくなりそうだ。」と言われる。しかし、毎回の診療報酬で振り回される前に少し考えれば、診療報酬改定は二年毎の連続ドラマを観ているのと同じであることが分かるはずです。すでに、国は医療法人等の政策について大枠のゴールを決めており、そのゴールに向かって医療計画を立て、二年毎の診療報酬改定を使って、ストーリーを進めているに過ぎません。

 これから、国の第8次医療計画が策定され、続いて、各都道府県で8次医療計画が策定され実施されます。2024年から始まる 第8次医療計画には特別な意味があります。日本の多くの中小都市では、医療需要が踊り場を迎えているか医療需要が減少し始めた時に作られる医療計画だと言うことです。言うなれば、急性期病院の撤退作戦を日本全国で進める政策を行うとともに、日本では、未だ経験のない、医療需要ダウンサイジングの時の、医療計画となるからです。

 国は、2040年のターゲットとし、新しい価値観、政策・制度を打ち出して行きます。医療需要の増加が見込めない地域では、医療計画による総量規制が行われ病院経営を圧迫することでしょう。経営能力の無い医療法人に対し、手を差し伸べることはもはや期待できない。

 では、この勝負とも言える勝負の8次医療計画(2024年~2029年)の6年間の中で生き残る病院の条件とは何かを考え、これから1年半(2022年~2023年)でできる具体的な出口戦略を決めなければなりません。そして、の戦略を法人の中で共有し、実行に移すことがすることが生き残るための絶対条件になるのです。

今回のセミナーでは、以下の4点について解説したいと思います。

  1. 第8次医療計画の医療と介護事業の政策の方向性を知る。
  2. 第8次医療計画の中での、自法人のポジショニング戦略と事業戦略を考える。
  3. 第8次医療計画の前にしておくべき具体的な準備を考える。
  4. 第8次医療計画の中での戦い方を考える。

 加えて、冒頭のかなりの時間を割いて、武久洋三先生の経営に関わるお話しについてもご説明したいと思います。武久先生のお話しには、第8次医療計画に備えるべき具体的なお話しが沢山詰まってます。また、民間病院が2040年に勝ち残る条件が全て説明されています。

 本日のセミナーが皆様の経営の助けになれば幸いです。

本間秀司