はじめに
これほど事務長・本部機能の重要性が注目される時期はないと考えています。その理由は、医療法人であれ社会福祉法人であれ株式会社であれ、今こそ、真の意味で経営を行わなければならないからです。現在は昔と比べて、格段に経営が難しくなっています。当然のことではありますが、医療法人は病院と老健があれば経営が上手くいく時代ではありません。社会福祉法人は特養があれば安泰ではありません。株式会社であれば有老と訪問があれば経営できる時代ではなくなりました。
もう、カリスマ理事長先生(ドクター)が、診察をしながら病院経営を担うことは、不可能と考えます。また、社会福祉法人も理事長一人の判断で経営できるほど甘くはなくなりました。これからの病院は、理事長先生、副院長先生、事務長、本部、経営企画室、ドクター、ナース、コメディカル、事務方、介護部門、地域包括などが、チームとなって「経営」することが必須条件です。そのためには、多くの医療法人が、ドクターに対して今まで避けて通っていた人事考課を通して、経営に参画していただき、病院が「必要な利益」を上げるために協力いただく必要があります。当然のことながら、働くドクターには処遇で報いる必要があります。また、働きが足りないドクターには、客観的な数字を示し、努力を促す必要があります。介護・障がいの法人経営は、多事業、多事業所、多職種、多人種での経営が求められます。
いよいよ勝負の2024年が近づいてきました。そして、2024年~2030年の6年間の経営が、全てを決めると考えてもいいほど大事な期間になります。さらに、日本が最もお金がない20年間(2025年~2045年)が始まるのもあと数年です。国は、ここに対しても照準を合わせて大きな改革を実行します。この大きな勝負どころである2024年~2030年で勝つことができれば、2040年に勝ち残っている姿も見えてくると考えます。
そのためには、医療法人の理事長先生や社会福祉法人の理事長、社長を支える事務長・本部機能、経営企画機能の力量を時代仕様にアップさせておく必要があります。
本日は、勝負の2024年を前に、経営の要である事務長・本部機能、そして経営企画機能について、どのように考え、どのように組織して、どのように運営しなければならないかをお伝えしたいと思います。
本間 秀司