どちらにしても、全ては経営者の器量で決まるわけです。つくづく、経営って芸術のようなものだと思いますね。

以前、「30人預けるから、次の経営者の経営チームになる人を見極めて教えて欲しい。」という仕事がありました。優秀な若手が多く、余るくらい推薦をしました。優秀な経営者を擁した大きな法人さんでさえ、新しい時代の経営チームを作るのは難しいわけです。

土台(基礎)のない法人さんの場合は、それ以前の問題なわけですね。まずは、徹底した教育からです。この教育が難しい。私は、いつも「教科書や本屋さんで売っているものだけでは人は育たない。」と言っています。最後は「哲学」になるからです。

よく言われるでしょう、「あれから私は変わった。」「この出会いが人生を変えた」って。これって、紙に書いてある文字じゃないんです。人対人なんです。リモートじゃないんです。人対人なんです。← 意見には個人差があります。

だから、経営者は哲学者でなければいけません。島津斉彬がいて西郷さんがいる。吉田松陰先生がいて高杉晋作はじめ明治の元勲がいる。← 意見には個人差があります。

話は変わります。

経営には、経営者が自ら先頭に立って自分の理想に突き進むタイプ。そして、自らは一歩引いて経営幹部が経営者の指示の下、その役割を果たすタイプがあるわけです。

どちらを選択するかで組織の作り方は違います。

前者であれば、経営者のカリスマ性に心酔する、ある種、宗教のような組織になるわけです。このような法人は大きくならないかと言えば、そんなことはありません。

後者を選ぶのであれば、経営者と何があろうと共にする、周りを敵にしてでも役割を果たす、経営者の代わりに十字架に架けられる経営幹部を育てなければなりません。このような経営者をトップにいただいた法人は堅実に成長していくようです。

法人が大きく成長するのは、一見、優秀な幹部を育てて経営チームを作り、自分は一歩後ろに引く人と思われがちですが、間違いなく、前者の方ですね。永守さん孫さん、亡くなられた稲盛さん豊田喜一郎さんもこのタイプですよね。このような天才はどんなに組織が大きくなっても全て自分で決めています。

どちらにしても、全ては経営者の器量で決まるわけです。つくづく、経営って芸術のようなものだと思いますね。

(豊田喜一郎氏)

業務を改善するにはプロセス、工程への深い理解が必要。

今日の失敗は工夫を続けてさえいれば、必ず明日の成功に結びつく。

難しいことほど挑戦する価値がある。

仕事で失敗したら直接的な理由でなくプロセス、工程を見直す。

偉大な功績は、豊田氏が世界一の自動車メーカーを志して行動し続けてきた結果、生まれたもの。豊田氏の言葉に宿る思想が社内に浸透すれば、社員も情熱を持って課題に挑戦しはじめることでしょう。