「新しい価値観を世の中に発信し続ける過酷さに背筋が寒くなりました。身につまされる想いでした。」これが一番の感想です。いつも思っているので、「才能が枯れたらどうしよう。」と。← 比べるべくもないのですが、、、
創作の厳しさや世間の評価、酷使する体、どうも、他人ごととは思えない内容に、「ん〜、、、」と何回も言いながら3時間。また、同じ、作曲家の嫉妬も、「わかるよね〜。」みたいな。我々の仕事も芸術家も「作品」で、はっきりと才能の違いが分かってしまうので。アマデウスを通して、改めて、自分の仕事や自分の会社を見直しました。頑張らないといけませんね。
映画なので、デフォルメされて描かれているわけですが、モーツァルトは神様から祝福されていたんですね。もし、映画のとおりの人柄であるならば、神様に祝福されている分、全てを音楽に捧げ、自分を偽らず、世間の評価は気にせず、自分に正直に、ただただ良い作品のために頑張ったんですね、それ以外のことには関心のない。音楽以外に才能がないということは、あんなにまわりを不幸にする。あんなに金欠病でお酒に溺れているとは思いませんでした。彼には、彼を導くパートナーがいたら違う人生だったのでしょうか。まあ、人の話に耳を傾けていたら、人が思いつくような音しか奏でなかったのでしょうね。ここが難しいところですね。
映画は、アマデウスに嫉妬し、アマデウスに憧れ、アマデウスを愛し、アマデウスを憎んで、アマデウスを死に追いやった音楽家が、アマデウスの死とともに精神が崩壊し、精神病院に入って、神父にアマデウス(アマデウスに取り憑かれて)を回想するという、世界の音楽家の嫉妬を、一身に表現することでアマデウスを賛美する構成になっているのが面白く、粋なところでした。
すごいな〜と思うのは、見たもの、触れたものが、全部、音になり、人々を官能させる調べになり、戦略的に構成され、譜面にするまでもなく、すべて、頭の中でできてしまうんですね。芸術家とは恐ろしい。ホントかどうかは分かりませんが、モーツァルトの譜面のオリジナルは、一度書いたら、直すところがなくできていたんですね。天賦の才とはよく言ったものだと思いました。
私と同業者の方には、この映画はおススメしません、身につまされるから。また、音楽を志す方にも、身につまされるから。あれを観て、すごい!って思うのであれば、「くちばしの先が黄色いね。」(意見には個人差があります。)って言われるかもしれません。
では、どんな人におススメか? それは、アマデウスを観て考えて下さい。ジャンジャン!