こういう議論をするときは、東委員が言われたようにデータが必要だと思うんですけれども、御参考までに、7,500人ぐらいの特養入所者を4年間追いかけてみました。当初いた7,500人ぐらいの5%ぐらいの方が毎月、一般病院に入院しています。それ以外のところにはほとんど入院していません。死亡が毎月1%ぐらい、0.7から2%ぐらいであります。
ほとんどの人が外来のレセプトが出ています。多分、配置医以外の方で、配置医の先生の診療科以外のところで診られている方も多いと思います。そうすると、例えば死亡診断書のことに関しても、1人の配置医だけでやるのがいいのか。もし診療科以外の先生も診ているのであれば、チームで管理するという考え方もあるんじゃないかと思います。いずれにしても、データを見ていくと、それほど深刻な状態で医療が足りないという状態でもないと思います。実際に死亡というものも1%ぐらいの発生ですので。
実は、入院する方はどういうものが原因で入院しているかというのも見ているんですけれども、かなりの部分が肺炎と骨折です。そう考えていくと、こういうデータから、看取りのあり方とか、特養における医学的管理のあり方というのは、もう少し具体的な議論ができるのではないかと思います。一つ一つの記述を見ていくと、いろいろなものが足りないように見えてしまうんですけれども、実際にはかなりの程度のことができていると思います。あと、一般病院に入院しなければいけないような状況のところをどういうふうに考えていくのかということを考えていけば、老人福祉施設における医療の問題、看取りの問題というのは、もう少し具体的な提案ができるのではないかと思います。