伝わるといいですね。⑵

『経営者に対し、内部統制システムリスクがあることを東⽇本⼤震災が⽰唆している』

(2012年11⽉の報道より)

施設の責任者が安全配慮を怠ったとして、津波犠牲者の遺族が損害賠償を求める訴訟が各地で起きている。宮城県⼭元町では、東保育所を運営する⼭元町に対し、死亡した園児の遺族が2011年11⽉「安全配慮義務違反があった」として、町に8,800万円の損害賠償を求め提訴した。⼭元町は保護者向けの説明会で「海岸から1.5キロ離れた保育所は過去に津波を受けたことがない」「津波は予⾒できなかった」と説明している。

宮城県⽯巻市では私⽴幼稚園の送迎バスに乗った園児5⼈が死亡し、4⼈の遺族が2011年8⽉、幼稚園の学校法⼈などを提訴。同市の特別養護⽼⼈ホームを利⽤した後に死亡した男性の遺族は同年11⽉に経営主体の社会福祉法⼈を訴えた。東保育所と同じ⼭元町では、⾃動⾞学校で死亡した教習⽣と⼥⼦職員の遺族がそれぞれ学校側を提訴。多賀城市のコンビニで勤務中に死亡したアルバイト⼥性の遺族が6⽉に運営会社を提訴。⼥川町では銀⾏の⽀店⾏員ら12⼈が死亡・不明となり、⼀部の遺族が9⽉に銀⾏を提訴。

訴訟では、遺族側が「適切な避難指⽰がなかった」「震災時のマニュアルがなかった」と対応の不備を指摘。施設側は「津波は予⾒できず、法的責任はない」と争う姿勢。

 

  • 従来の判例では否定された役員の法的責任が認められたことになり、「知らなかった」「報告がなかった」「担当ではなかった」は任務懈怠責任として判断される可能性が⾼くなった。 任務懈怠責任:任務を怠けた等の行為
  • 「経営判断の原則」から逸脱した経営判断に対して、役員等が黙認すること等の⾏為が善管注意義務違反、忠実義務違反になる可能性が⾼くなった。
  •  
  • 法⼈と委任契約を結んでいる役員は、「故意ではなかった」は斟酌されない可能性が⾼くなった