事業高が5億円未満の法人の理事長ご夫婦と昼食をご一緒しました。地方ではありますが、りっぱなお座敷のあるお店でのランチです。大変、恐縮です。
一通りお話のあと、本間から「今日は大事なお話があります。ご夫婦だけなので、ぜひお聞きいただきたいことがあります。息子んさん娘さんのお話です。」
「ここは、人口減少地区です。現在のままいけたらいいとお考えかもしれませんし、理事長は息子さんか娘さんに後を継がせたいとお考えかもしれません。しかしながら、時代はそれを許さないかもしれません。なので、理事長、2つの考えを持っていただけないでしょうか。一つ目は、今のままいける。息子さんが後を継ぎ、娘さんもここで働く。もう一つは、この法人がどこかの法人と合併になり、息子さんは理事長ではなくなる、です。もちろん、どうなるかは神様しかわからない。しかし、ご自分のお子さんたちのことです。優秀な理事長がその職に就いている間にいろいろ考えて手をうっていただくことをオススメします。もちろん、取り越し苦労であればいいわけです。絶対にそうなると言っているわけではありません。
理事長は目を合わせず、下を向いたまま、小さく返事をされるだけでした。奥様はつらそうでした。無論、息子さんたちとお話ししていないでこんなことはいいません。もう、呼んでいただけないかもしれません。しかし、この話を前提にどのようにこれからの経営をお考えいただくことができるかを、あの直観力があり判断力がある理事長がお考えいただけるかだと思います。ご子息の将来がかかっているので。わかっているのに、「大丈夫ですよ」って言うのは職業人として納得できないので。
「どうしたらいいのか?」と言われたので、「ドミナントを精査してください。マーケティングとマッピングしてください。どこまで事業を大きくできるのか計画してください。大きければいいというものではないと思われるかもしれませんが、大きいことが大事なんです、これからは。」「なぜかというと、みなさんは公的法人、公的施設だから。」とお話ししました。
中途半端な大きさと中途半端な方針は命とりです。無論、財産は国に帰属しているので倒産はありません。しかし、合併・統合はあります。合併に対等合併はありません。呑まれる方は辛いことになります。潰しがきかなくなってから法人から放り出されても困ります。
考えていただければ分かります。右肩あがりのマーケットと右肩さがりのマーケットでは考える視点が違います。今までとは違う世の中になるのです。医療も介護も。