赤字の公立病院が増加傾向にある。総務省によると、全国841の公立病院の2025年度決算は81.2%が経常赤字だった。5年前の42.8%からほぼ倍増した。
新型コロナウイルス禍では補助金の下支えにより、赤字病院の割合は21年度に27.6%まで低下していた。その後、補助金の縮小に加えて人件費や材料費の高騰などが重なり、赤字病院が増えた。25年度は人事院勧告に準拠した賃上げによる給与費の増加と医薬品の価格上昇が重なった。
コロナ禍前の2019年度以前は赤字病院の割合は6割前後で推移していた。診療収入は増えているものの、費用の増加の勢いが上回っている。
経常収支をみると、25年度は公立病院全体で3,399億円の赤字だった。物価高に対応した国庫補助金などの効果もあり、過去最大だった24年度からは553億円縮小したが、1,255億円の黒字だった5年前に比べて厳しい経営環境が続く。
医業収益は救急患者の積極的な受け入れや診療単価の上昇により、前年度に比べて2.3%増の4兆7,904億円だった。医業費用は5兆9,225億円と3.4%増え、収益より伸び率が高かった。
医業費用のうち職員給与費は前年度比3.8%増えた。公立病院では人事院勧告に準拠して給与を改定するケースが多く、主に25年度決算に反映される25年勧告では平均3.62%の引き上げとなった。地方では看護師や薬剤師の確保が難しく、人手不足も費用を押し上げた。

