尊敬する先生から、「どうぞ」と言っていただきました。「先生、ありがとうございます!」。

このブログをお読みの皆さまにご紹介させていただきます。先生のお名前や病院のお名前は出せません。お忙しい先生でいらっしゃるので。

読んでいて、胸が締め付けられました。少しの間、すべての思考が止まり、こみ上げてくる気持ちを整理して「すごいな〜。」「頑張ってほしいな〜。」と独り言でした。

このブログを新幹線の中で書いていますが、書いてる横で、また、胸が締め付けられます、、こみ上げてくるものがあります。

このお話を一人でも多くの方に読んでいただきたく、先生にメールをお送りし「紹介させてください。」とお願いしたところ、名前を出さないで、ということで、みなさんにご紹介させていただけることになりました。

先生、「ご活躍、お聞きしています。くれぐれもご自愛ください。陰ながら、応援させていただいています。ありがとうございました。」

原文そのまま、ご紹介します。

 

平昌オリンピックが始まりました。
男子モーグルで原大智さんが銅メダル、スピードスケート女子1500mで高木美帆さんが銀メダル、ジャンプ女子ノーマルヒルで高梨沙羅さんが銅メダルを獲得しました。
今までの努力が報われた涙はきれいですね。
しかし、なんで高木美帆さんと高梨沙羅さんの1回目のジャンプが同じ時間になってしまうのでしょうか。

外来のお母さんのお話です。
お母さんは、いつもうつむきがちで穏やかに優しく語ります。
Aちゃんは、学校に苦手な子がいて、それを我慢するのがストレスになっています。
お母さんは、
「どこにでも、そういう子はいるから。距離を置きなさい。」
とAちゃんに説明しました。
Aちゃんは、
「それはわかった。だけどつらいんだ」
とお母さんに言ったそうです。

私は、
「お母さん、いいこと言うね。いい子育てしているね。
お母さんは、子どものときに、ほめられて育ったの?」
と何気なく聞きました。

そうしたら、お母さんは、少し黙った後で穏やかに淡々と語り始めました。

「今まで虐待を受けていました。
動いちゃダメ、しゃべっちゃダメ、じっとしていなさいと言われていました。
殴られ、蹴られ、雪国だったので、吹雪の中、逆さにぶら下げられたり、自分の意思で動くことを許されませんでした。
 兄にも、殴られ、蹴られました。
中学の時に、崖から飛び降りて死のうと思って、崖のほうに歩いて行ったら、途中のお墓から、
『死ぬなー、こっち来るなー。』
という声が聞こえて、お墓が怖くて崖に行けませんでした。
高校1年のときに、自分の中の蓋が外れ、マグマがはじけた瞬間があり、親に刃向かって家から出されました。
16歳で家出して、それからが大変でした。
自分一人の人生でした。
高校も中退して……。

中学3年のときに、今まで冷たかった後輩にやさしくしたら、私にやさしくなってきました。
だから、やさしくするってこういうことなんだと思って、人にやさしくすることによって学びました。
今までのすべてのことは、私をやさしくするためにいろいろされたんだと思います。
これがなかったら、私は人にやさしくできなかったと思います。
今は、お父さん(だんなさん)もやさしいし、
私は、虐待の連鎖を断ち切るために生まれてきたんだと思います。
娘のためにすべてがあったんだと思います。
今は、娘が笑ってくれたら幸せ。」

「虐待は連鎖する。」
この言葉におびえている人に伝えてほしいと、お母さんは私にこの話を託してくれました。

今週もよろしくお願いします。