2016年12月26日のブログより
私が大好きな司馬遼太郎さんの本に、明治維新後、奇跡の日本の近代化は「武士道」があったから成し得た、という司馬さんの自説があり、その話にとても感動したことを覚えています。今日は「海賊と呼ばれた男」を観に行きました。映画の中で私が最も印象に残ったのは、あの伝説の日章丸事件ではなく、石油組合の利権と戦ったところではなく、主役の國岡鐡造が社是として掲げた「士魂商才」という意味についての話でした。「士魂商才とは、侍の魂を持って商売人の才を発揮せよ」という意味で、卑怯な手を嫌い、正々堂々と真っ直ぐ物事を進めるという経営者の理念と実践の5分〜10分のストーリーでした。観ている途中、司馬さんの武士道についての考えは正しいんだなーと改めて思いました。日本人って、いい哲学を持っているなーと。日本人って、いいものの見方と考え方を持っているんだなーと改めて感じました。私はずっと思っていますしこの先も思うと、「日本人はどんな困難があっても日本人のやり方で必ずや困難を克服する人の集まりだ」と。
映画の中で、木田さんと人物が、出光佐三(映画では國岡鐵造)に事業資金を出していく人で描かれていました。若い出光佐三は理念と裏腹に商いがおもわしくなく、資金繰りに困る日々が続きます。どうしようもなくなると頭を下げに行ったのが木田さんという人物です。木田なる人物は資産家ではあるのでしょうが、持っている家を何軒も売りながら若い出光佐三に事業資金をつぎ込んでいました。たぶん、実在したどなたかなのでしょう。その木田さんが、まだ若い出光佐三に賭けたのは、「士魂商才」の理念とその理念を真正面から行う若い経営者を応援したい、育てたい、世に出したいと思ったからに他なりません。昔はモラルもなく、袖の下や縄張りが横行した時代に、姑息なことはせず、生真面目に一生懸命働く経営者と若い職員をほってはおけなかったのだと思います。仕事でも、経験ありますよね。真面目に頑張っていると、不思議なもので誰か見ていて手を差し伸べてくれることが。映画を観て改めて、出光佐三には、経営者としての「素」があったのだと。だからこそ、あんなに大きくなったのでしょうし、だから、あんなに人が集まったのでしょう。経営者一人でこんなにも世の中を変えるのかと思いました。「かくの如く在りたいものだ」と思いましたが、実力、努力、気迫が全く足らず、偉人と凡人の違いに落胆するばかりですが。
人は最後は「哲学」に共感するものだと思っていますし「物の見方と考え方」に集まるものだと考えています。多くのみなさんから応援していただける哲学とものの見方と考え方を真正面から進めてゆきたいと思います。士魂商才、いい言葉です。
今日も札幌にいて、午前中は打ち合わせを行い、午後から「海賊と呼ばれた男」を観に行きました。なにせ、12月23日、24日、25日は札幌で過ごしましたんで。明日から3日間、また札幌と小樽で仕事です。お陰でイブはひたすら休み、夜はTBS「クリマスのお約束2016」の録画を観て、25日は映画です。なかなかないクリスマスの過ごし方です。これで何日、札幌に居るかというと、21日の夜に移動して22、23、24、25、26、27、28日まで、で19と20も札幌で、12月はじめと中もいたんで、12月は13日間札幌にいることになります。もはやにわか道産子です。まな板で午前0時まで雪かきしたし、2日新千歳空港で籠城したし、砂川の坂で死ぬかと思うほど怖い思いをしました。
でも、最後に「士魂商才」という素敵な言葉に出会ったんで、良い師走だったということにします。一つだけ心配なのは、東京に帰る28日はまた雪だと言われたことです。ひょっとして除夜の鐘も札幌かも知れません。(札幌神宮に初詣かも、、、)