自治体戦略2040構想研究会という組織があり、2次報告で、医療と介護の単位を「東京圏」という考え方を入れる。
I 自治体戦略2040構想における新たな自治体行政(OS)の基本的方向性
自治体戦略2040構想は、2040 年頃にかけて迫り来る我が国の内政上の危機を明らかにし、共通認識とした上で、危機を乗り越えるために必要となる新たな施策
1 (アプリケーション )の開発とその施策の機能を最大限発揮できるようにするための自治体行政(OS2)の書き換えを構想するものである。
第一次報告においては、高齢者人口がピークを迎える 2040年頃までの個別分野と 自治体行政の課題について俯瞰し、2040年頃にかけて迫り来る我が国の内政上の危機とその対応を、
1 若者を吸収しながら老いていく東京圏と支え手を失う地方圏、
2 標準的な人生設計の消滅による雇用・教育の機能不全、
3 スポンジ化する都市と 朽ち果てるインフラの3つの柱で整理した。
これらの危機を乗り越えるべく、全ての府省が政策資源を最大限投入するに当たって、自治体も、持続可能な形で住民サービスを提供し続けられるようなプラットフォームであり続けなければならない。第一次報告では、自治体行政(OS)の書き換えに関する今後の検討の基本的方向性として、以下を挙げている。
○ 個々の市町村が行政のフルセット主義を排し、圏域単位で、あるいは圏域を越 えた都市・地方の自治体間で、有機的に連携することで都市機能等を維持確保することによって、人が人とのつながりの中で生きていける空間を積極的に形成し、 人々の暮らしやすさを保障していく必要がある。
○ 人口減少が先行して進んできた県においては、県が市町村と一体となって様々な施策を展開して地域を守ろうとする動きが顕著になっている。都道府県・市町村の二層制を柔軟化し、それぞれの地域に応じた行政の共通基盤の構築を進めていくことも必要になる。
○ 医療・介護ニーズの急増や首都直下地震への対応など、東京圏の大きな行政課題に対処していくためには、いわゆる埼玉都民や千葉都民なども含めた東京圏全体のサービス供給体制を構築していく必要がある。
○ 若年層の減少により、経営資源としての人材の確保がより厳しくなる中、公・ 共・私のベストミックスで社会課題を解決していくことが求められる。他方、定年退職者や出産を機に退職した人など、企業等で築き上げた能力が十分活かされず、活躍の場を求めている人も多い。就職氷河期世代には、これまで十分活躍の場が与えられてこなかった人がいる。こうした人々が多様な働き方ができる受け 皿を作り出す方策について検討する必要がある。
○ これまで自治体が個々にカスタマイズしてきた業務プロセスやシステムは、大胆に標準化・共同化する必要がある。更には、今後、ICTの利用によって処理できる業務はできる限りICT を利用するというICT の活用を前提とした自治体行政を 展開する必要がある。
2 この検討の基本的方向性を受け、本研究会では、