20年改訂の中間取りまとめ。

1 地域の状況を踏まえた入院医療の在り方について
(論点)
○ 地域における医療提供体制の確保を進めるため、異なる機能を担う医療機関がそれぞれの役割を維持しつつ、医療機関間の機能分化・連携を進めやすく するような評価の在り方について、各入院料の届出等の状況や、平成30年度診療報酬改定の対応を踏まえ、どのように考えるか。

(主な意見)
○ 地域によって人口変動や医療提供体制が様々であることから、診療報酬は地域医療構想に寄り添う範囲での対応に留める必要があるのではないか。

○ 診療報酬は地域医療構想に寄り添い、後押ししていく観点から議論していく必要があるのではないか。
○ 入院医療の評価体系については、平成30年度診療報酬改定での見直しの検証を最優先に実施し、今後の対応を検討する必要がある。
○ 病床数が要件に入っている診療報酬の項目については、地域によっては病床数に関係なく役割を果たしている医療機関があることに留意が必要である。

(現状と課題)

<入院医療の現状>
○ 入院患者数・入院受療率は、全体的に低下傾向。
○ 人口10万人あたり病院数・病床数は、ともに減少傾向。一般病床数は、横ばいから減少傾向。
○ 開設者別の病院病床数は、医療法人の占める割合が多く、構成割合に大きな変化はない。
○ 2015 年から 2040 年の市区町村の人口変動をみると、人口が大きく減少する市区町村が存在する。

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(6)地域づくり・まちづくりにおける医療の在り方について

<入院医療の診療報酬>
○ 入院医療にかかる評価については、平成30年度診療報酬改定において、基本的な診療に係る評価(基本部分)と、診療実績に応じた段階的な評価(実績部分)との2つの評価を組み合わせた評価体系に再編・統合した。
○ 一般病棟入院基本料の届出施設数は概ね横ばいだが、7対1や 10 対1の届出病床数は減少傾向。地域包括ケア病棟入院料1、回復期リハビリテーション病棟入院料1、療養病棟入院基本料1は、届出施設数・病床数ともに、増加傾向。
○ 入院料別の開設者の割合をみると、いずれも民間の占める割合が多いが、一般病棟入院基本料(7対1)や地域包括ケア病棟入院料1では、国立、公立、公的・組合の占める割合が比較的多い。
○ 入院患者の状態をみると、概ね急性期の入院料の方が、年齢層が若く、要介護・要支援が少なく、自立した患者が多い。

<入院医療提供体制の施策>
○ 医療計画において、都道府県が策定するべき事項として、医療圏の設定や基準病床数の算定、地域医療構想等が定められている。
○ 地域医療構想の実現に向けて、これまで、地域医療構想調整会議の設置や、公立・公的医療機関等の医療機能を見直すための改革プランの合意等の取組を行った。
○ 地域医療構想の進め方として、都道府県は、構想区域の実情を踏まえながら、毎年度、地域医療構想調整会議において合意した具体的方針をとりまとめる こととされている。

 

2 地域における情報共有・連携について
(論点)
○ 患者の在宅復帰や、医療機関間の連携をさらに進める観点から、病床機能連携にかかる評価の在り方について、平成30年度診療報酬改定の対応を踏まえ、どのように考えるか。
○ 医療情報の標準化や、地域医療情報連携ネットワークの構築については、基盤整備のための基金が創設されたところ。医療機関間における診療情報の電 子的な送受にかかる評価の在り方については、今後、ネットワークの具体的な 活用状況やその効果等を踏まえて検討してはどうか。

○ 医療機関と薬局や訪問看護ステーションの連携について、医療現場の取組 状況や、平成30年度診療報酬改定の対応を踏まえ、どのように考えるか。

(主な意見)
○ 医療的ケア児への対応として、主治医から学校へ情報提供の視点が欠けているため、充実させていく必要があるのではないか。
○ 平成30年度診療報酬改定で新設された訪問看護における学校への情報提供の評価について、算定要件が入学又は転学時と限定されているため、医療的 ケア児の状態やケアの変化に応じて必要な情報提供による学校との連携の強 化がなされるよう見直しを検討する必要があるのではないか。

(現状と課題)

<病床機能連携にかかる評価>
○ 平成30年度診療報酬改定において、患者の在宅復帰や医療機関間の連携を推進する観点から、在宅復帰・病床機能連携率等の要件の見直しを行った。 また、在宅や急性期病棟から患者を受け入れた場合の評価について、入院・入 棟元を在宅と急性期病棟で分けて評価することとした。

○ 入院料別の病棟の患者の流れをみると、急性期一般入院料1では自宅への 入退棟が多かった。地域包括ケア病棟・病室には自院の一般病床から、回復期 リハビリテーション病棟には他院の一般病床から入棟する患者が多く、とも に退棟先は自宅が多かった。療養病棟では自宅からの入棟が多く、死亡退院が 多かった。