法人経営において最も大事なのは「企業風土(カルチャー)」だと考えています。

本間が法人さんの現状調査をするときに最も注意していることは、法人の風土(カルチャー)です。風土とは、「職員の活動や思考に働きかけるものとしての環境」と定義しています。

以下、2つの事例をご覧ください。* 同じようにお金をいただいています。同じように理事長を目の前にしてご報告しています。お読みになられた方は、こうも違うのかとお考えになると思います。本当に責任の重い仕事をしているものだと考えます。

【A法人】

日本に約2万法人ある社会福祉法人の中でも、貴法人は現在のマネジメントの優秀さにおいて、他の法人の規範となる法人のひとつであると判断します。貴法人のマネジメントの源は理事長の思想と思考であり、その思想と思考によって事業及びマネジメントを具現化していると考えられます。貴法人の職員は落ち着きがあり、かつ、安心して働いている姿に数多く接しました。これは、経営者が人というものを理解し、人を生かす環境とは何か、家族の理解を得るために何が重要かを理解して、長年法人の中で醸成させていった賜物だと考えます。法人としてこのような経営者を得られているという幸運を理解する必要があります。

【B法人】

貴法人は、前を常に向いて進もうとする気概と行動力が法人の成長を支える原動力となっている。反面、 基本的なマネジメント能力が欠落しており、その欠落が現在では法人のカルチャーになってしまっている。 そして、このマネジメント不在の状態が法人経営に大きく影響を与えているにもかかわらず、経営者をそ れに気づかず放置されている。結果、収益性の低さについて改善されることもなく、競争力の低下につい て現場は認識しているが手が打たれることなく放置されている。現場は経営層の顔色をうかがいながら都合のいい報告を行っている。現在では、働く人のモラルにも現れ、職員の多くが法人カルチャーに対し漠然した不安を感じ働く意欲を低下させている。この悪しき法人カルチャーは、すでに看過できるレベルを 超えており、経営者は現実を直視し原点に立ち返り、経営とは何か、マネジメントとは何か、カルチャーとは何かを考え、法人のスタイルの再構築が必要と判断する。

両法人とも次の仕事のご提案をしています。内容は、「内部統制」です。