いろんな解説が介護報酬改定について出ていますが、各事業の報酬の付け替えを行うだけで、何かが大きく変わる感じのない改定になっていると理解しています。 ただ、全てが複合化していく始まりの改定で、2027年の改定時にはいろいろ「複合化」「弾力化」が現れると理解しています。
私は、「2024年改定は、今の介護保険制度のストラクチャーの限界を知る改定」と評価しています。ここ何回か、同じような改定を繰り返していて、もう、時代について来れていない。根本的な解決策は「頑張る!」になっている感じがします。
(介護給付費分科会の資料より)
「2024年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)概要 (第227回 介護給付費分科会 資料2-1)」
2040年を展望すると、認知症の高齢者や単身高齢者の増加など介護ニーズが増大・多様化し、地域ごとに異なる形で進行。地域ごとの 特性や実情に応じ、地域包括ケアシステムを深化・推進させていくことが必要。また、医療、介護の複合ニーズを抱える方への対応、感 染症や災害への対応力強化、介護現場における安全性の確保、認知症施策の推進も重要な課題。
高齢者の要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう、これまで、多職種連携、アウトカム評価、科学的介護の推進を図ってきた。 こうした取組も踏まえながら、質の高い、自立支援・重度化防止に資するサービスの提供を引き続き推進していくことが必要。
介護に要する費用は増加。必要なサービスは確保しつつ、適正化・重点化を図り、制度の安定性・持続可能性を高めていくことが必要。
会議報酬に向けた基本視点
① 地域包括ケアシステムの深化・推進
認知症の方や単身高齢者、医療ニーズが高い中重度の高齢者を含め、それぞれの住み慣れた地域において利用者の尊厳を保持しつつ、質 の高いケアマネジメントや必要なサービスが切れ目なく提供されるよう、地域の実情に応じた柔軟かつ効率的な取組を推進。
医療・介護連携による医療ニーズの高い方や看取りへの対応
感染症や災害への対応
高齢者虐待防止等の取組
認知症への対応
② 自律支援・重度化防止への取り組み
高齢者の自立支援・重度化防止という制度の趣旨に沿い、多職種連携やデータの活用を推進
リハビリテーション・口腔・栄養の一体的取組
LIFEを活用した質の高い介護
③ 良質な介護サービスの確保に向けた働きやすい職場づくり
介護人材不足の中で、更なる介護サービスの質の向上を図るため、処遇改善や生産性向上による職場環境の改善に向けた先進的な取組を推進。
介護ロボット・ICT等やいわゆる介護助手の活用によるサービスの質の向上と業務負担の軽減
経営の協働化等や、テレワークなどの柔軟な働き方・サービス提供に関する取組
④ 制度の安定性・持続可能性の確保
介護保険制度の安定性・持続可能性を高め、全ての世代にとって安心できる制度を構築
評価の適正化・重点化
報酬体系の整理・簡素化