「8月8日午後4時43分ごろに日向灘で発生したマグニチュード(M)7.1の地震の直後に、南海トラフ地震の想定震源域の東側の東海地方で微弱な『スロー地震』が発生したことがわかった。スロー地震は2011年の東日本大震災などの巨大地震の前にも観測された。専門家は『今のところ大地震に直結する可能性は低いが、大規模な現象になって次の地震の引き金にならないか注視が必要だ』と指摘する。」
「専門家は『今回観測されたスロー地震は非常に微弱だが、今後大規模なスロー地震に成長する可能性はゼロではない。そうなれば大きな地震の引き金になる恐れもあり、注視が必要だ』と指摘する。」
「過去に南海トラフ海域では100〜200年の間隔で大地震が発生している。前回の昭和東南海地震(1944年)や昭和南海地震(46年)から約80年が経過した。政府の地震調査研究推進本部は、今後30年以内に南海トラフでM8〜9の巨大地震が発生する確率を70〜80%と試算している。」
「東京大学地震研究所の教授は『大地震が起きた後に遠隔地でスロー地震が発生することはよくあり、今回もその可能性がある』と分析する。教授によると、05年のスマトラ沖地震でも南海トラフでスロー地震を観測した。」
「過去の大地震の前にスロー地震が観測された例も少なくない。11年3月に発生した東日本大震災でも、発生の約1カ月前に震源周辺でスロー地震が起き、その後大きな地震が発生した。通常の地震と比べて放出するエネルギーは極めて小さいが、ひずみを近隣の領域に与える。そのため大地震を引き起こす可能性が指摘されている。」