日本のどの街も、いずれ、これになる。
(記事抜粋)
人口減少が進む現在、地域によっては病院が余る状況が生まれている。
福岡県大牟田市もそうした地域の1つだ。人口は最盛期の約半数となったのに、市内には3つの公立・公的病院をはじめ20以上の病院があり、地域の各医療機関の経営を圧迫しつつある。
大牟田市は、福岡県の南端、熊本との県境にあり、いわゆる「県の田舎」にあたる。人口減少と高齢化が進んでおり、かつて21万人いた人口は今ではおよそ10万2千人と半減(2025年10月現在)。また、高齢化は全国平均が約29%(2023年時点)なのに対して、大牟田市は約38%(2025年時点)。
地域医療には3つの課題。
1:人口減に伴う「病院過多」
2:患者数の減少による「経営圧迫」
3:医療を担う「人材不足」
人口が減少しているにもかかわらず、実は大牟田市内には20以上の病院があり(2025年5月時点)、病床数も十分すぎるほどある。当然のことながら空床が増え、各病院の経営が苦しい。 この状況を改善するには、各病院が病床を減らす必要がある。当院では402床を有していましたが、2025年4月からは一般病床と結核病床を減らし355床とした。
患者さんが減っている理由はいくつかあるが、大きいのは在宅医療が進んでいること。患者さんやご家族にとっては、自宅で過ごせるほうが安心ですし、経済的な負担も少なく済む面がある。
最後の「人が足りない」という課題も深刻。地域の医師と連携を取る機会も多いが、この問題は大牟田市の多くの医療機関が悩んでいる。医師、看護師、薬剤師、リハビリテーションスタッフなど、全ての職種で人材が不足している。

