庄子理事長から投稿をいただきました。ありがとうございます。

社会福祉法人青葉福祉会 理事長 庄子 清典様より寄稿いただきました。(2018年3月23日)

『大きくなったら』

春が来ました。北国のすべての生物が待ちに待った春です。新入生や新入社員が夢に向かって踊りだします。

先日、保育園の卒園式に出席しました。一人ひとり園長から卒園証書を受け取ると、その証書を高く掲げながら「大きくなったら○○になります。」と大きな声で発表していました。一番多かったのはケーキ屋さんとクッキー屋さんです。テレビのグルメブームやスイーツブームが影響しているのでしょうか、子どもたちはおいしいものを作ってお父さんやお母さんを喜ばせてあげたいのでしょう。

私が嬉しかったのは、二人の子供が「保育士の先生」と発表したことでした。それは、良い保育をしてきた証のように感じたからです。しかし、この発表は毎年行われているのですが、いまだに「大きくなったら介護士さんになります。」というのを聞いたことがありません。当然と言えば当然なのです。保育園の子供たちが介護士に会う機会はほとんどないので、目指す対象に入っていないわけです。それは逆に言えば、介護や看病を受けているお年寄りが子どもと一緒にいる機会がほとんど無いということになります。

最近、お刺身が海でもお刺身の姿で泳いでいると思っている子供さえ出てきているように、「大きくなった先にお年寄りになる」ことを知らない子供たちが増えてしまわないか心配です。子どもがお年寄りと関わる機会をどんどん増やしていかなければならないと感じています。

そして、早く「大きくなったら介護士になります。」という元気な園児の声を聴きたいものです。

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