思わず、手を叩いて笑ってしまった話。

ある理事長さん:「もう、亡くなられた利用者さんの話なんですけど。その方は104歳だっかと思います。私を個人的に信頼されて、通帳も私に預けてしまうような人(もう、身寄りがなく)で、関東大震災や日露戦争を知っている人です。」

私:「坂の上の世界ですね。」と。

理事長さん:「その方は、おばあちゃんではあるのですが、しゃんとしてて、背筋が伸びているような人なんです。私の顔を見ると、『お金使うな(私の通帳の)。どうせ、あなたのお金になるんだから。』といつも言っているんです。」

私:「なるほど、かなり、気に入られていますね、理事長。」

理事長さん:「それで、ある時、私と相談員(女性)が並んで、その方と話をしたんです。その時、その方が、相談員に向かって『あなたは、理事長さんのお側(おそば)近くに仕える方なの?』と聞いたんです。よせばいいのに、その相談員が『はい!』と言ったんです。そして、それ以来、その方にいじめられるようになったと愚痴を言ったんです。」

私:「はあっ、、」(にやにやしながら)

 

お読みの方は答えがわかったでしょうか。私のような時代劇が好きな人間であれば、ピンときますかね。

理事長さん:「だからさ、あのときに、『はい』なんていうから、そういうことになるんだよ。『おそば近くに仕えるって、そういうことなんだよ、あの年代の人たちには。』って言ったんですよね。」

私:手を叩いて「面白い話ですね。」

まさに世代間ギャップの話でした。「おそば近くに仕える。」ですか、、粋な言葉ですね。時代を感じますし、そのころの日本のカルチャー(文化)を感じますね。この方は、大正時代の頃のまま生きていたんですかね。

 

 

こんな話も聞きました。

理事長さん:「元東芝の総務部でバリバリ働いていたご利用者が、この時期になると、必ず、私の顔を見て、『もう人事は決まったの?』って言うんですよね。私は、それに答えて『はい、決まりました。』と答えるんです。そうすると、『それは、よかったわ。』と言うんです。」

私:介護施設は、面白い話が沢山ありますよね。本にしましょうかね、全国の話を集めて。