働き方改革・同一労働同一賃金
働き方改革関連法の施行スケジュール
- 年次有給休暇の取得義務化。→ 全法人:2019年4月から。
- 長時間労働を抑制するための措置。→ 大企業:2019年4月から。中小企業:2020年4月から。
- 労働時間の適正把握。→ 全法人:2019年4月から。
- 同一労働同一賃金の制度化。→ 大企業:2019年4月から。中小企業:2020年4月から。
- 高度プロフェッショナル制度の創設。→ 全法人:2019年4月から。
法律の適用範囲
厚生労働省 雇用環境均等局の方との話のまとめ
1.社会福祉法人は、労働基準法第138条に規定する業種で、サービス業に該当する。
これにより、資本金等の概念がないため、人数100人以下は中小企業、100人超は大企業という分類になる。大企業に分類された場合、同一労働同一賃金については、2020年4月1日からの適用。
2.常時100名という計算の考え方
常時100名という計算は、臨時的雇用者のみ除くとなっているため、例え月に5日しか来ない労働者であっても、雇用していれば参入される。また同様に、休職中(産休・育休・傷病休職等)も人数に参入。よって、日雇い以外は、皆100名超の人数カウントに入る。
3.罰則規定について
同一労働同一賃金については、司法の判断によるところとなるため、罰則規定はありません。法人名の公表については、現在のパートタイム労働法と変わらず、都道府県労働局による「指導・勧告」に従わず、いつまでの是正されない場合は、法人名の公表となる。
4.注意
監督署に調査に入られたり、労使間の争いとなれば、罰則以上のコストの支払い、また社会福祉法人にとっては、認定取り消しになる可能性もあるため、注意が必要です。
それぞれの概要
- 年次有給休暇の取得義務化。
- 年5日間の年次有給休暇の取得を義務づける。
- 「年休管理簿」作成の義務付け。
- 長時間労働を抑制するための措置。
- 残業時間の罰則付き上限規制
- 原則:1か月45時間、1年間360時間の時間外労働を限度時間とする。
- 特例:年間の時間外労働は720時間以内。
- 特例:単月の時間外労働は100時間未満(休日労働含む)。
- 特例:2か月ないし6か月の平均時間外労働は80時間以内(休日労働含む)。
- 特例:月45時間を超える時間外労働は年6回まで
- 残業時間の罰則付き上限規制
- 月60時間超の時間外労働の割増賃金率を50%以上にしなければならない。
- 労働時間の適正把握
- 労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録することを義務付ける
- 同一労働同一賃金の制度化
- 不合理な待遇の禁止
- 通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的な取り扱いの禁止
- 説明義務の拡充(雇入れ時・労働者から説明の求めがあった場合)
- 高度プロフェッショナル制度の創設
- 対象者への労働時間規制・割増賃金(労働時間、休憩、休日および深夜)の適用除外
再整備が必要な内容
- 同じ制度上であれば、同じ賃金を払うということが原則。
- 同じ制度ではないのであれば、同じ賃金を払う必要がない。
- ただし、制度が違っていても、同じ労働であると判断された場合は同一賃金と判断される。
- 説明がなされ、労働者が納得すれば問題は起こらない。
賞与についての考え方
- 「同一労働同一賃金ガイドライン案」では、賞与について明確な考え方を示している。賞与が賃金後払い、功労報償といった「会社業績等への貢献」という性質を持つ場合には、その性質に沿った対応をとることを求めるという考え方。
- この考え方によれば、有期・短時間労働者にも、会社業績への貢献度に応じて、正社員と同じ月数、または、貢献度の違いに応じた月数の賞与を支給することが求められる。
労働契約法20条は削除
- 「働き方改革関連法案」が成立により。労働契約法20条は削除され、「パート・有期契約労働法」に変更し、労働契約法20条の内容が盛り込まれる。その際、政府が作成した「同一労働同一賃金ガイドライン案」が正式な指針となる。