参考になれば

「報告書から」
 
リーダーは常に決定することが求められる。ときには組織や関係する人に対する重要な決断を下さなければならない。その決断は、人の運命をも左右する。そのため病院長は、経営者として孤独に耐える精神力と努力が何よりも必要となる。常に考えなければいけないのは病院の経営であ理、部下に気を使うことではない。
 
孤独に耐える精神力と努力があれば、信念を持ってすべての責任を背負い決断を下すことができる。部下の中には自分に賛同するものもあれば敵対する人もいる。考えなければいけない事は、法人全体の経営を考えている病院長と自分や自分部門のことだけを考えている部下がいることを理解する。ブレてはいけない。経営者として、病院の全体最適を考えなければならない。部門長は病院の部分最適を考えているに過ぎないと割り切る必要がある。
 
病院長は病院のリーダーである。組織のリーダーとして、最も大事な仕事はその組織がどの方向に向かおうとしているのか、何を目指すのかを明確に示し理解させ組織を動かさないければならない。ドクターは技術があり、高学歴である。そのため自分の仕事にプライドがあり思いがある。ドクターは皆、良い医療を行いたいと考えている。病院長は、ドクターに、自分たちがやりたい医療ではなく、地域から必要とされる医療が何なのかを、自らの言葉で丁寧に説明、理解させ、それぞれのドクターが役割を演じきれるような環境を整備する必要がある。
 
病院長が、孤独に耐え、努力をするにあたり、良い仲間づくりをすることを勧めたい。医療関係者と介護関係者、そして、医療関係者以外の人たちとも交流をしながら、研鑽することは、視野を広げ、自らの病院経営について俯瞰して考えるヒントがある。また、介護現場に足を運び、介護職の職員との交流をすること強く勧める。ややもすると医療にしか関心がなく、知識がない病院経営者が、介護の力を目の当たりに意識を大きく変えることがある。