必要とされるところには必ず行きます。芸能人と同じです。声が掛かるうちが華ですので。

北の大地はもう雪がありませんでした。日陰の斜面に少しだけ雪が残っていました。ここにも春が来たのですね。今は、改正社会福祉法対応で月曜日から日曜日まで働いています。そして、北海道から沖縄県まで移動しています。ありがたいことです。

法律も成立しました。政令、ガイドラインを待っている法人さんが沢山ありますね。そんな時に、3月28日の日経に載った、キヤノンの松山さんのレポートが波紋を呼んでいます。

 

内容は以下です。

ポイントは3つ
・「現預金が少ない」との説明は違う。
・社福には保育士など処遇改善の財源がある。
・拠出金を使い地域包括ケア複合施設建設を進める。

全国経営協に加盟している、集計可能な 5513法人の2014年決算情報から財務データ分析を行った。なお、聖霊福祉会と恩賜財団済生会を除く。財務データの全体像として以下の指摘ができる。5513法人の合計総資産10兆2000億円のうち、金融資産が占める割合は25.5%。そこから借入金を差し引いた純資産の割合は10.8%。純金融資産額は 1兆8000億円。規模の大きな法人は再投資している法人も多く見られるが規模の小さな法人ほど投資せずに利益を溜め込んでいる傾向にある。これらを総合的に判断し、施設経営を行っている法人数を約18,000法人と仮定した場合、純金融資産は2兆円を超える。これまで「内部留保は固定資産取得に使っているので、現預金は少ない。」としてきた説明には矛盾する。

保育士給与引き上げの財源確保が大きな政策課題になっている。しかし、保育専業760法人の平均経常利益率は 4.9%。10%以上は117法人。純金融資産の総資産割合は17%を超える。保育所の財務面の特徴として、黒字額を超える補助金を受け取っていることが挙げられている。つまり、黒字として蓄積した純金融資産の源泉は100%税金である。財源があるのに保育士処遇改善が進まない主因は、社会福祉法人の経営者の姿勢にあると言わざるを得ない。

注目するべきは、借り入れをしながら積極的に新規事業を進めている法人の存在である。成長志向の社会福祉法人の経営者は経営能力が高い。彼らに、過去の累積利益の維持を行っている法人の資産をシフトすることが求められるのではないか。今回の集計分析により、「良い社会福祉法人」と「非課税相続貯金箱化」した「悪い法人」が混在することが確認された。

今回の改正社会福祉法における新制度に加え、純金融資産を有する社会福祉法人に拠出させ、社福ファンドの創設を提案する。このファンドを使って全国に保育所も含めた地域包括ケア複合施設を建設させ、経営能力の高い法人に指定管理者として運営を委託する。また、「非課税相続貯金箱化」から脱却できない法人に対しては課税を行い、良い法人の追加財源にするべきである。