昨日、BS-NHKで、庵野秀明さんの特集をやってました。
アニメーターであり、小説家であり、思想家なんですよね、きっと。
スタッフが集まっても、何も言わない。方向性も示さない。
どんな筋書きか、誰も分からない。だから、スタッフは困惑と焦りとあきらめみたいのが描かれていました。
本人は、いいものを、今までにはないものを、最高のものをと考えていると。
みんなで打ち合わせで飲んでいて、「もう、だめです。時間がないのです。」というスタッフに向かって、「神様が降りてこない。」と一言だけ。黙り込むスタッフ。
時間がないのに、ストーリーを未だに考えている様子が、「ああっ、身につまされるわ。」と思わず。
何かが降りてきて、始まる作業。終盤、追い詰められて、死に物狂いで頑張るスタッフ。
クリエーターは魂を削って体から絞り出すんですよね。
話しを戻すと、「神様が降りてこない。」のです。わかりますか、「神様が降りてこないのです。」はい。どうにもこうにも神様が降りてこないんです。
あの場面を見てて、「分かる〜。」と思わず。庵野さんがいい人に見えて来てしまいました。
私も同じところがあり、素材を目一杯頭の中に詰め込んで、何もしない。あとは、祈りを捧げて寝るのです。
で、起きると何か得体の知れないものが「こう書け。」という感じです。
素材の詰め込みが甘いとお告げは来ません。
私、締め切りが決まってるのだからできるはずでは、って言われるんです。
でも、神様が降りて来ないんですよね。
つまらないものを作るのは3日でできますが、お客様のためにと思うと、なかなかで。
私、よく思います。あまりに何もできないと「もう、才能が枯れたかも。」と。それの方が気が楽だとも。