日本の醤油が世界を救う。

ものづくり日本の面目躍如です。

凄くないですか? 

これがなければ、今、コロナワクチンは、我々の目の前になかったわけで、コロナから世界を救ったものの一つだと言えるのです。

 

 

先日より、ニュースサイトやTV、ラジオの情報番組で、弊社の医薬品原料の「シュードウリジン」が、新型コロナウイルス対策として、世界中で使用されているmRNAワクチンに欠かせない原料として主要な供給元になっているという報道がなされ、以来、多くの応援のメッセージを頂戴しております。

厚く御礼申し上げます。

また、報道を見て様々なお問い合わせも数多く頂いていることから、わかりやすくQ&A形式にまとめましたので、ご興味のある方はご覧ください。

 

<報道内容(要約)>

「シュードウリジン」は、新型コロナワクチンのmRNA(メッセンジャーRNA)を構成する物質の1つで、私たちの体の細胞にも存在していますが、 mRNAを体内に投与すると、免疫反応により炎症を起こすことから、ワクチンや医薬品としての実用化は難しいと考えられていました。しかし2005年、新型コロナウイルスのmRNAワクチンを開発研究したドイツの製薬大手、ビオンテックのカタリン・カリコ上級副社長と、アメリカ・ペンシルベニア大学のドリュー・ワイスマン教授の2人は、mRNAをこの「シュードウリジン」で構成すれば炎症が抑えられるという論文を世に出し、「シュードウリジン」で構成されたmRNAを使うことで、免疫機能を回避し、目的のタンパク質を生成する、効果の高い新型コロナワクチンウイルスが開発されました。

ヤマサ醤油は「うま味」の研究から発展させ、1970年代から50年以上にわたって、核酸関連物質の研究を続けており、1980年代からは修飾核酸の一つであるシュードウリジンを医薬品原料として海外に輸出もしていたことから、今回いち早く増強した生産能力を準備することが出来、現在もフル稼働で世界中のニーズに応えています。

 

<よくあるお問い合わせ>

Q:シュードウリジンはどのような物質なのでしょう?

A:体内に存在する通常のmRNAは配列をなしている4つの核酸化合物の一つがウリジンであるのに対しまして、治療薬やワクチンとして開発されているmRNAはウリジンのかわりに修飾核酸(シュードウリジンやその他の誘導体)が使われています。尚、シュードウリジンはRNAの一つであるtRNA(トランスファーRNA)などの構成要素としてもともと体内にも存在します。

 

Q:シュードウリジンは新型コロナウイルスワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)で、どのような役割を果たしているのでしょう?

A:新型コロナウイルスワクチンのmRNAは、コロナウイルスの突起部分(スパイクタンパク質)のmRNAを投与すると、そのmRNAによりスパイクタンパク質が細胞内で生成され、結果それを攻撃する抗体が作られるという仕組みです。通常のmRNAですと自然免疫により減少し蛋白質が作られにくくなるところ、ウリジンを修飾核酸に置き換えたmRNAの場合この免疫機能を回避できるようになり、十分タンパク質が作られるようになります。

 

Q:シュードウリジンは醤油やつゆにも使われているんですか?

A:シュードウリジンは醤油やつゆには使われておりません。調味料である醤油の製造会社である弊社が、核酸化合物に特化した事業展開を始めたきっかけが核酸系うまみ調味料の工業製造開始であったということで、この核酸化合物の事業展開の中で、調味料とは関係なく製造販売を開始した品目の一つとしてシュードウリジンが存在します。

 

Q:なぜ、ヤマサ醤油が、ワクチンの原料になるような物質を製造しているのでしょう?

A:核酸化合物に特化し事業展開していく中で、以前は色々な核酸化合物を合成し研究用試薬として販売しておりましたが、シュードウリジンはこの対応の中で品揃えされた品目です。

 

Q:シュードウリジンは、いつから製造しているのですか?

A:1980年代には既に試薬販売されておりました。

 

Q:シュードウリジンは、新型コロナウイルスワクチン以外には、どのようなことに使われているんですか?

A:現状、公開されているのはmRNA合成用途です。

 

Q:ヤマサ醤油が製造しているシュードウリジンが、新型コロナウイルスワクチンに使われることになった経緯を教えてください。

A:mRNA自体は今回の新型コロナウイルスの開発以前から、他のワクチンや治療薬として研究開発されております。弊社は研究段階からシュードウリジンを提供してきており、その流れの中で新型コロナウイルスワクチンのmRNA製造用でもご利用頂くことになりました。

 

Q:今はどのような体制でシュードウリジンを製造しているのでしょう?

A:2020年秋に増産体制を整え供給してきております。未だ需要は増える見込みであり、また将来再びパンデミックが起こった際に無理なく供給出来るよう、更に製造能力拡張を含む体制整備を行うことにしております。