「ファイザーは11月5日、開発中の新型コロナウイルス向け飲み薬の投与により入院や死亡するリスクを約9割減らせたとの臨床試験(治験)データを公表した。」
「緊急使用許可を得るため米食品医薬品局(FDA)に詳細なデータを提出するという。早ければ年内に米国で投与が始まる可能性がある。」
「開発中の治療薬『パクスロビド(PAXLOVID)』を、発症後3日以内の患者に投与したところ、投与していないグループに比べて入院・死亡リスクが89%減った。デルタ型など各種の変異ウイルスに対しても効果がある可能性があるという。」
「飲み薬は処方後に患者自らが服用するだけですみ、在宅治療でも対応しやすい。ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は『パンデミックを食い止めるための取り組みにおいてゲームチェンジャーとなる』とコメントした。パクスロビドは米国以外に、日本を含め各国の薬事規制当局にも承認申請する見通しだ。」
「国内の製薬会社も飲み薬を開発している。シオノギは9月末から最終段階の治験を始めた。感染初期の患者に投与して重症化を抑制するほか、発熱やせきなどの症状改善を狙う。安全性や有効性を検証した上で2021年中の承認申請を目指しており、22年3月までに国内で100万人分を生産する計画だ。」