各県の社協、経営協、老施協でのセミナーの新しいタイトルです。

タイトル:解説「見えた、国が求める 新・社会福祉法人の姿・要件 とそのための経営・組織・運営
〜 厚労省令内部統制と会計士協会内部統制の2本立てガバナンスと民間の経営原則にどのように対応するか〜

セミナーでは、以下のような内容が含まれます。

(3)内部管理体制の整備
ア 一定の事業規模を超える法人は、法人のガバナンスを確保するために、理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他社会福祉法人の業務の適正を確保するために必要な体制の整備(内部管理体制の整備)につい て、基本方針を理事会において決定し、当該方針に基づいて、規程の策定等を行う こととなる。(法第45条の13第4項第5号及び第5項)

イ 内部管理体制の内容については、法に規定されている理事の職務の執行が法令及 び定款に適合することを確保するための体制のほか、厚生労働省令で以下の内容を 規定する予定である。
1 理事の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制

  2 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
  3 理事の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
  4 職員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
  5 監事がその職務を補助すべき職員を置くことを求めた場合における当該職員に関する事項
  6 5の職員の理事からの独立性に関する事項
  7 監事の5の職員に対する指示の実効性の確保に関する事項
  8 理事及び職員が監事に報告をするための体制その他の監事への報告に関する体制
  9 8の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
  10 監事の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
  11 その他監事の監査が実効的に行われることを確保するための体制
 ウ 法人における作業については、以下のとおりとなる。
  1 内部管理体制の現状把握 ・ 内部管理状況の確認、内部管理に係る規程等の整備状況の確認
  2 内部管理体制の課題認識 ・ 現状把握を通じて、業務の適正を確保するために必要な体制と現状の体制を比較し、取り組むべき内容を決定
  3 内部管理体制の基本方針の策定・ 法人の内部管理体制の基本方針について、理事会で決定
  4 基本方針に基づく内部管理体制の整備・ 基本方針に基づいて、内部管理に係る必要な規程の策定及び見直し等

(参考例)

内部管理体制の基本方針

本○○福祉会は、平成○○年○月○日、理事会において、理事の職務執行が法令・ 定款に適合すること、及び業務の適正を確保するための体制の整備に関し、本○○ 福祉会の基本方針を以下のとおり決定した。

1 経営に関する管理体制
 1 理事会は、定時に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、法令・定款、評議員会の決議に従い、業務執行上の重要事項を審議・決定するとともに、理事の職務執行を監督する。
 2 「理事会運営規則」及び「評議員会運営規則」に基づき、理事会及び評議員会の役割、権限及び体制を明確にし、適切な理事会及び評議員会の運営を行う。
 3 業務を執行する理事等で組織する経営戦略等に関する会議体(以下「経営会議等」という。)を定期的又は臨時に開催し、業務執行上における重要事項について機動的、多面的に審議する。
 4 「理事職務権限規程」に基づき、業務を執行する理事の担当業務を明確化し、事業運営の適切かつ迅速な推進を図る。

5 職務分掌・決裁権限を明確にし、理事、職員等の職務執行の適正性を確保す るとともに、機動的な業務執行と有効性・効率性を高める。

6 評議員会、理事会、経営会議等の重要会議の議事録その他理事の職務執行に係る情報については、定款及び規程に基づき、適切に作成、保存及び管理する。

7 業務執行機関からの独立性を有する内部監査部門を設置し、業務の適正及び 効率性を確保するため、業務を執行する各部の職務執行状況等を定期的に監査する。

2 リスク管理に関する体制
 1 リスク管理に関し、体制及び規程を整備し、役割権限等を明確にする。
 2 「個人情報保護方針」及び「個人情報保護に関する諸規程」に基づき、個人情報の保護と適切な管理を行う。
 3 事業活動に関するリスクについては、法令や当協会内の規程等に基づき、職務執行部署が自律的に管理することを基本とする。
 4 リスクの統括管理については、内部監査部門が一元的に行うとともに、重要リスクが漏れなく適切に管理されているかを適宜監査し、その結果について業務を執行する理事及び経営会議等に報告する。
 5 当会の経営に重大な影響を及ぼすおそれのある重要リスクについては、経営会議等で審議し、必要に応じて対策等の必要な事項を決定する。
 6 大規模自然災害、新型インフルエンザその他の非常災害等の発生に備え、対応組織や情報連絡体制等について規程等を定めるとともに、継続的な教育と定期的な訓練を実施する。
3 コンプライアンスに関する管理体制
 1 理事及び職員が法令並びに定款及び当協会の規程を遵守し、確固たる倫理観をもって事業活動等を行う組織風土を高めるために、コンプライアンスに関する規程等を定める。
 2 当会のすべての役職員のコンプライアンス意識の醸成と定着を推進するため、不正防止等に関わる役職員への教育及び啓発活動を継続して実施、周知徹
底を図る。
 3 当会の内外から匿名相談できる通報窓口を常設して、不正の未然防止を図るとともに、速やかな調査と是正を行う体制を推進する。コンプライアンスに関する相談又は違反に係る通報をしたことを理由に、不利益な取扱いは行わない。 
4 内部監査部門は、職員等の職務執行状況について、コンプライアンスの観点 から監査し、その結果を経営会議等に報告する。理事等は、当該監査結果を踏まえ、所要の改善を図る。

4 監査環境の整備(監事の監査業務の適正性を確保するための体制)
1 監事は、「監事監査規程」に基づき、公平不偏の立場で監事監査を行う。

 2 監事は、理事会等の重要会議への出席並びに重要書類の閲覧、審査及び質問等を通して、理事等の職務執行についての適法性、妥当性に関する監査を行う。
 3 監事は、理事会が決定する内部統制システムの整備について、その決議及び決定内容の適正性について監査を行う。
 4 監事は、重要な書類及び情報について、その整備・保存・管理及び開示の状況など、情報保存管理体制及び情報開示体制の監査を行う。

5 監事の職務を補助するものとして、独立性を有するスタッフを配置する。
6 理事又は職員等は、当協会に著しい損害を与えるおそれのある事実又は法令、定款その他の規程等に反する行為等を発見した時は、直ちに理事長、業務執行 理事並びに監事に報告する。
7 理事及び職員等は、職務執行状況等について、監事が報告を求めた場合には、速やかにこれに応じる。

8 理事長は、定期的に監事と会合を持つなどにより、事業の遂行と活動の健全 な発展に向けて意見交換を図り、相互認識を深める。