「これらの薬剤に上乗せすることで中等症の患者さんの死亡率が半減するという薬剤が登場し、海外で話題になっています。その名を、サビザブリンといいます。」

こんな記事を見つけました。FDAから承認されるといいですね。

「日本では、新型コロナは軽症・中等症・重症の3つに分類されています。肺炎がある新型コロナを『中等症1』、酸素療法を要するような中等症を『中等症2』としています。重症度がこれ以上になると、致死率が高くなり、軽症者向けの治療では力不足です。現場でも治療に難渋することが多いです。」

「コロナ禍当初から炎症を抑える薬剤が用いられています。抗ウイルス薬だけでは体の炎症を抑えることができないため、『中等症II』以上では全身性ステロイド(デキサメタゾンなど)、バリシチニブ(商品名オルミエント)、トシリズマブ(商品名アクテムラ)といった消火器のような薬剤を併用します。」

「これらの薬剤に上乗せすることで中等症の患者さんの死亡率が半減するという薬剤が登場し、海外で話題になっています。その名を、サビザブリンといいます。」

「アメリカ食品医薬品局(FDA)から優先審査制度(ファストトラック)の対象指定を受けており、早期に承認される可能性もあります。」

「サビザブリンは、『微小管』を阻害する薬です。『微小管』というのは、細胞の中のウイルス複製工場にウイルスを効率的に運ぶ役割を持っている『配送トラック』であり、このはたらきをおさえることでウイルスの複製が始まらないようにします。」

「また、炎症の暴走をおさえるはたらきもあり、抗ウイルス薬としての側面と、抗炎症薬としての側面の2つを併せ持っています。これまでの抗ウイルス薬や抗炎症薬とは異なる作用機序であるため、既存の薬剤に併用することで死亡が大きく減ったのかもしれません。なお、ウイルスに直接作用するわけではないため、理論的には耐性は起こらないと考えられます。」

「新型コロナに対して、新しい経口薬サビザブリンは理にかなったメカニズムであることは確かです。]

「中等症に陥ってしまった患者さんの死亡率を半減させるのが本当であれば、重症病床のひっ迫も半減させることができるかもしれません。今後の新型コロナ診療の光明になるとよいですね。」