「東京大学の特任教授らは21日、新型コロナウイルスのオミクロン型の派生型『BA.5』に対し、国内で承認された3種類の抗ウイルス薬が有効だったとする論文を発表した。」
「細胞を用いた実験だが、実際の患者でも効果が期待できる結果だという。抗体医薬は承認されていない1種類を除いて効果がほぼ無いか低かった。治療の際には薬の選び方に注意が必要だとしている。」
「BA.5に感染した細胞に抗ウイルス薬を加えて、ウイルスの増殖を抑える効果を調べた。米ギリアド・サイエンシズの点滴薬『ベクルリー(レムデシビル)』と米メルクの『ラゲブリオ(モルヌピラビル)』、米ファイザーの飲み薬『パキロビッドパック』の成分『ニルマトレルビル』については、いずれもコロナ流行初期の型と同様に有効だった。オミクロン型の別の派生型の『BA.2.12.1』や『BA.4』でも効果があった。」
「抗体医薬がBA.5やBA.2.12.1、BA.4の細胞への感染をどれほど防ぐか調べたところ、英グラクソ・スミスクラインなどの『ゼビュディ(ソトロビマブ)』はほぼ効果が無かった。米リジェネロン・ファーマシューティカルズなどの『ロナプリーブ(カシリビマブ・イムデビマブ)』や、英アストラゼネカの『チキサゲビマブ・シルガビマブ』も、流行初期の型への効果に比べると大きく落ちた。米イーライ・リリーの『ベブテロビマブ』は効果があった。」