16,17日、突撃隊合宿に参加の皆さん、「インパクト」を考えるヒントをご連絡します。昨日のブログにパワポのダイジェスト版が載せておきましたが、これもお願いします。
令和6年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)
令和6年度介護報酬改定に向けて、本年5月以降、計 10 回社会保障審議会 介護給付費分科会において、各サービスや横断的課題について議論を行うとと もに、関係団体ヒアリングを行った。
令和6年度から始まる第9期介護保険事業計画期間は、その計画期間中にい わゆる団塊の世代がすべて 75 歳以上となる 2025 年を迎えることとなる。これ まで累次の介護報酬改定や制度改正により、地域包括ケアシステムの推進を図 ってきたが、今後、高齢者人口がピークを迎える 2040 年頃に向けて、更なる 人口構造の変化やそれに伴う社会環境の変化が見込まれており、引き続き、不 断の見直しが必要である。
また、生産年齢人口の減少が顕著となり、介護を含む各分野における人材不 足が更に大きな課題となることが見込まれる中、近年、物価高騰や全産業にお ける賃金の引上げ、DX 等の事業環境の変化も生じている。こうした経済状況の 新たな変化への対応も求められる。
これらを踏まえ、今回の介護報酬改定に向けた基本的な視点は、次のように整理できると考える。
1.改定に当たっての基本的認識
(1)地域包括ケアシステムの深化・推進が求められる中での改定
2025年より更に先の状況を見通すと、団塊ジュニア世代が65歳以上と なり、高齢者人口がピークを迎える 2040 年頃に向けて、認知症の高齢者や 単身高齢者の増加など介護サービスの需要が増大・多様化し、かつ、その 状況も都市部と地方では異なる形で進むことが見込まれている。こうした 状況を見据えると、地域ごとの特性や実情に応じ、地域包括ケアシステム をさらに深化・推進させていくことが必要である。
また、慢性疾患や複数の疾患を抱える患者、医療・介護の複合ニーズを有する患者・利用者が増加しており、医療の視点を踏まえたケアマネジメント、医療ニーズが高い方へのサービス提供、看取りへの対応などについて、診療報酬・障害福祉サービスとの整合性を図りながら進めていくことが必要である。
上させていく必要がある。また、感染症や災害に際して、継続的にサービスを提供できるための体制の構築や、介護現場における安全性の確保も重要である。
令和5年6月には、認知症の方が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らす
ことができるよう、認知症施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とした「共生社会の実現の実現を推進するための認知症施策基本法」が成立したところであり、認知症の方の意向を十分に尊重しつつ、良質かつ適切な保健医療サービス及び福祉サービスが切れ目なく提供され、認知症の方や家族等が地域において安心して日常生活を営むことができる体制の整備が求められている。
(2)自立支援・重度化防止を重視した介護サービスの推進が求められる中での改定
介護保険は、介護が必要になった者の尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要なサービスを提供することを目的とするものであり、提供されるサービスは、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するものであることが求められている。
令和3年度介護報酬改定においては、リハビリテーション、口腔、栄養 など多職種が連携する取組を推進することとしたほか、アウトカム評価の 充実や、LIFE による科学的介護の推進も評価した。
これまでの取組も踏まえながら、質の高い、自立支援・重度化防止に資するサービスの提供を引き続き推進していくことが必要である。
(3)良質なサービスの確保に向けた働きやすい職場づくりが求められる中での改定
近年、経済情勢の変化に伴い、物価高騰や他業種の賃金引上げが進んでおり、介護分野からの人材流出も見られている。さらに、少子高齢化が進行する中、今後、現役世代(担い手)の減少が急速に進むことが想定されており、ますます人材の確保が厳しい状況となる。このような中で、介護分野において、良質なサービスを確保しつつ、人材不足の課題に対応していくことが喫緊の課題。
特に訪問介護などのサービスでは人員不足が顕著であり、これまで処遇 改善に関する累次の取組を行うとともに、令和4年 10 月の臨時介護報酬改 定においてはベースアップ等支援加算を創設した。あわせて、多様な人材 の確保・育成、離職防止・定着促進、生産性向上、介護職の魅力向上など 総合的な人材確保対策を講じてきており、引き続き、これらの取組の継続 が求められる。
さらに、今後は介護サービス事業者の働きやすい職場環境づくりに向け て自治体や事業者も巻き込んで取組を推進することが重要である。令和4 年 12 月には「介護職員の働く環境改善に向けた政策パッケージ」において事業者の意識改革やテクノロジーの導入促進、業務効率化に向けた取組の重要性が共有された。加えて、令和5年の介護保険法改正において都道府県に対して生産性向上に資する取組に係る努力義務が設けられた。
今回の介護報酬改定においても、適切な処遇を確保しつつ、介護サービスの質の向上を図るため、働きやすい職場環境づくりや柔軟なサービス提供の推進などの総合的な人材確保の取組を進めていくことが必要である。
(4)制度の安定性・持続可能性の確保が求められる中での改定
介護に要する費用に目を向けると、その費用は大幅に増加している。少子高齢化が進行し、介護ニーズが増大する一方で、現役世代の減少が進むことが見込まれる中、制度の安定性・持続可能性を高める取組が引き続き求められる。
これまで累次の制度改正において、給付と負担に係る見直しが行われているが、介護報酬においても必要なサービスはしっかりと確保しつつ、サービスの適正化・重点化を図り、制度の安定性・持続可能性を高めていくことが必要である。