社会福祉法人日本心身障害児協会の小沢浩先生にお願いして、ブログに載せさせていただきます。先生、ありがとうございます。

小沢先生は、毎週「今週の一言」を多くの小沢先生のファンで登録している人にお送り頂いています。私も今週の一言を拝読している一人です。今週、「今週の一言」で、あるタクシードライバーとスティーブ・ジョブズの話が書かれていました。大変、興味深く読ませていただき、WJUのブログをお読みいただいている皆様にご紹介したいと考えました。

 

本日、朝、早速メールさせていただいたところ、心よくご承諾をいただきましたので、原文のままご紹介します。小沢先生、ありがとうございました。

 

先日、タクシーに乗ったところ、とってもおどおどしていた運転手さんに会いました。
勤めて5日目の運転手さんで、道も全くわからずに、道を教えようと説明すると、すぐ「すみません」と謝る、一生懸命な26歳の男性でした。
前職を聞くと、なんと水商売のスカウトでした。スカウトは、女の人に声をかけ話をしていると、脈があるかないかだいたいわかり、脈があると思った子には、話しを続けていきます。お金に興味がある子は、どんな子もスカウトできる可能性はあると話していました。
「働いてみない」などとダイレクトには言わずに、話の中で心の穴がみえたときに、その穴を埋めるように話を続け、穴を埋めることができれば、スカウトできると言っていました。
約5年その仕事を続け、お金もだいぶ稼げるようになりましたが、楽して稼いだお金は散財してしまい、何も残らない。(このままだったら、ブラックになるだけだよな~)と思い、タクシー運転手をしている父親の勧めもあり、今までの全てを捨てて一念発起して、今の仕事に変えたということでした。
私は、その運転手さんに、スティーブジョブズの言葉を紹介しました。
病床からの最期のメッセージです。

私は、ビジネスの世界で、成功の頂点に君臨した。他の人の目には、私の人生は、成功の典型的な縮図に見えるだろう。しかし、仕事をのぞくと、喜びが少ない人生だった。人生の終わりには、富など、私が積み上げてきた人生の単なる事実でしかない。
病気でベッドに寝ていると、人生が走馬灯のように思い出される。私がずっとプライドを持っていたこと、認証や富は、迫る死を目の前にして色あせていき、何も意味をなさなくなっている。この暗闇の中で、生命維持装置のグリーンのライトが点滅するのを見つめ、機械的な音が耳に聞こえてくる。
神の息を感じる。死がだんだんと近づいている。今やっと理解したことがある。人生において十分にやっていけるだけの富を積み上げた後は、富とは関係のない他のことを追い求めた方が良い。

もっと大切な何か他のこと。
それは、人間関係や、芸術や、または若い頃からの夢かもしれない。終わりを知らない富の追求は、人を歪ませてしまう。私のようにね。
神は、誰もの心の中に、富みによってもたらされた幻想ではなく、愛を感じさせるための「感覚」というものを与えてくださった。
私が勝ち得た富は、一緒に持っていけるものではない。私が持っていける物は、愛情にあふれた思い出だけだ。
これこそが本当の豊かさであり、あなたとずっと一緒にいてくれるもの、あなたに力をあたえてくれるものあなたの道を照らしてくれるものだ。
愛とは、何千マイルも超えて旅をする。人生には限界はない。行きたいところに行きなさい。望むところまで高峰を登りなさい。全てはあなたの心の中にある、全てはあなたの手の中にあるのだから世の中で、一番犠牲を払うことになる「ベッド」は、何か知っているかい?シックベッド(病床)だよ。
あなたのために、ドライバーを誰か雇うこともできる。お金を作ってもらうことも出来る。だけれど、あなたの代わりに病気になってくれる人は見つけることは出来ない。物質的な物はなくなっても、また見つけられる。しかし、一つだけ、なくなってしまっては、再度見つけられない物がある。人生だよ。命だよ。手術室に入る時、その病人は、まだ読み終えてない本が1冊あったことに気付くんだ。「健康な生活を送る本」あなたの人生がどのようなステージにあったとしても、誰もが、いつか、人生の幕を閉じる日がやってくる。
あなたの家族のために愛情を大切にしてください。あなたのパートナーのために、あなたの友人のために。そして自分を丁寧に扱ってあげてください。他の人を大切にしてください。

運転手さんは、「苦労して稼いだお金は、大切に使います。貯金しなきゃ」と語っていました。タクシーを降りるとき、その運転手さんは、本当に深々とお辞儀をしてくれました。運転手さん、頑張ってね。

今週もよろしくお願いします。
(長くてすみません)