はじめに
人事制度は、いつの時代も難しい。どの法人も何回も挑戦しては失敗を繰り返している。その原因の多くは、形だけ作る。体裁を整える。法人はやったつもりでいる。しかし、人事制度には、制度を受ける相手がいることを忘れている。かつ、考課者と被考課者に教育訓練をしないまま、準備不足の状態で始めてしまうことが多い。
今回のセミナーでは、勝ち残るための人事制度と法人の経営力を上げることと、同時に、考課者と被考課者が信頼を関係を維持することができる、今までにない、人事制度、人事考課制度をご紹介いたします。
本間秀司
(WJUのHPより)
この5月から、WJU社会保険労務士法人が設立されました。ここに大手税理士事務所から移籍してくれた社労士さんがいます。この社労士さんは前職で、当然、人事制度の設計、運営、社会保険業務を行ってきているわけです。そして、今回、うちの鈴木、杉山が講師を務める「人材育成と法人の業績を築く未来型人事制度構築と運用の実務」にフルに受講生として参加してもらっているのです。
えっ、なんで。だって、前職で人事制度のコンサルティングを社労士として務めているので、改めて学習する必要はないのでは?と思いませんか。今日、会いまして、私から「うちの人事制度はどうですか?」と聞いたら、「全然違います。」の返事が返ってきました。← 期待していた答えでした。
「なんでそう思いますか?」に、「今まで、税理士法人所属の社労士として人事制度の構築を行うときは、給与を全体的に下げるとか、上がらないとかのルール(人事制度)を決めるコンサルでした。しかし、鈴木さんの人事制度は、人を育てるため、経営力を上げるための人事制度でした。受講していて嬉しくなりました。頑張ります!」との返答でした。
こうでなければいけません。あまりに期待した通りの答えに、やらせじゃないか?と読んでいる方は思うかもしれませんね。しかし、これ、本当の話です。事務所には3人いたので、ブログによく出てくるTさん、Nさんに聞いてください、本間と社労士さんの話の様子を。
ほんと、多くの法人の方が「うちはちゃんとやってます。」っていうんです。その、ちゃんとのコンセプトが全く違うとアウトプットが全く違うものになります。← わかってほしくて説明するんですけど、理解しようとしないんです。で、「離職が多い。なぜだろう?」って言うんです。← 働いている人はわかっているし、見抜いているんですよ。
経営は最後は人事制度に戻って来るんです。人事制度を提供する側は肝に銘じないといけません。
人事制度の良し悪しで法人の将来が決まる時代が来たとは思っていただけないでしょうかね〜、まだ、ダメですかねー。
大事なのは、人事制度のコンセプトですよ。← 本間、心の叫びです。
人事制度ってなんですか?
人事制度構築の目的を明確にする。
人事制度構築はコンセプトが命。
人事制度の目的
・ 法人のサステナビリティ(持続可能性)を実現するため。
・ ゴーイングコンサーン(継続法人の前提)の重要な要件。
1 競争に勝つため。
2 総人件費を安定させるため。
3 内部統制、法令遵守のため。
4 職員満足のため。
5 働く人が自分の将来を見通すため。
6 良い人材を確保するため。
7 組織を安定させるため。
8 これから職員になる人のため。
・ 人事制度のコンセプト(コンセプト:全体を貫く概念、構想。概念:そのものが示す性質。)
・ 目的を達成するため、人事制度構築に際し必要な要素はすべて網羅して構築すること。
1 人材育成ができるシステムであること。
2 給与規定・給与テーブルが戦略的に作成されていること。
3 採用、懲罰、懲戒、解雇、退職が法令に則って作成され、教育訓練されていること。
4 公平、公正な制度設計になっていること。
5 キャリアパスが使えるものになっており、開示、教育訓練が行われていること。
6 評価制度と給与が連動していること。
7 制度が職員から信頼されるこよ。
8 採用に際して、強みになる人事制度であること。
経営者と人事制度の関係
・ 人事制度は経営者から職員へのメッセージ。
・ 人事制度構築の土台は、経営者と職員の信頼関係から。
・ 人事制度は、マネジメントを映す鏡。
質問です。
Q 1:人事制度の現状を箇条書きにしてください。
Q 2:人事制度に期待していることを箇条書きにしてください。
答えは。
A 1「 です。」
A 2「 です。」
経営者の心得
・ 法人を黒字にするのも「人」、法人を赤字にするのも「人」。
・ 人は勝手には育たない。人は育てるのだ。
・ 教育にお金を惜しまない。
考課者訓練 鉄の掟3か条・禁句3か条
鉄の掟3か条
1 一人はみんなのためにと心得る。
2 考課制度は人を育てるためにあると心得る。
3 一人の無責任な行動は制度全体を崩壊させると心得る。
以上を守れない者は静かに去ること。
禁句3か条
1 現場が忙しくて研修どころではない。
2 どうせ研修を受けても身に着かない。
3 研修にお金をかけるのはもったいない。
以上を守れない者は法人の将来を見殺しにすると心得る。