「割れ窓職場」にしないことが経営者の役割です。「割れ窓職場」と「無知」は虐待防止対策の重要なポイントです。

昨日、正規職員の雇用を。と書きました。当然、働かない人をとったらどうするんだ、という話になるわけですが、① できるだけ教育に応えてくれる人材を取る ② 割れ窓職場にしないこと が大事です。

 

アップルという会社がある。今では、知らない人がいないくらい活躍している会社です。スティーブ・ジョブズが戻ってくるまでは、新製品ができることはなく、モデルチェンジを繰り返すばかり、営業にも力が入らず、マイクロソフトに大きく水を開けられていた。そんな時に彼は戻ってきた。

スティーブ・ジョブズは追い出された人間だった。個性が強く、自分にも他人にも厳しい人間だった。そんな彼が戻ってきた時、アップルは「学級崩壊」した状態だった。優秀な人は山ほどいたが、全員が自分の向きたいほうを向いて好きな事をやっていた。彼が戻る前は、遅刻が常態化し、ペットを持ち込み犬と遊んでいる社員までいた。彼は、学級崩壊型風土を働く人が活躍できる環境に変えていった。

もはや、このあとの、アップルの躍進について書く必要はありません。

 

日本の経営者に永守重信さんがいます。この経営者は、「儲かっていない会社にはいくつかの共通点がある。社員の士気が落ちています。会社の士気が落ちていると当然工場は汚いですよ。事務所も汚い。電話の応対がいいかげん。マナーがなっていない。つまり6Sができていない。」

永守式6S:整理、整頓、清潔、清掃、 作法、躾

 

ディズニーランドは、パーク内のささいな傷をおろそかにせず、ペンキの塗りなおしや破損箇所を見つけたら、即、修繕行うことにしています。従業員だけでなく、お客様のマナーも向上させることができるからです。

 

割れ窓職場の話です。しかし、もう説明の必要はないと思います。「ここの法人は適当な仕事が許されるんだ。」「どうせ、俺が何しているかなんて見てないし。」「ここは、働く人に関心がそもそもないし。」ここから始まるんです。

人の思考は伝播するんです。ここがポイントです。それはやがて、風土(カルチャー)になるのです

ただし、すぐに理解できる人間とゆっくり育つ人間がいることも事実です。また、大きな声を出して注意喚起しなければいけないこともあれば、穏やかに繰り返し繰り返し伝えることが大事な話もあるのです。

 

私は、風土(カルチャー)がすべてだといつも言っています。法人の風土(カルチャー)は職員のマインド(素)に影響を与えます。また、職員のマインド(素)は法人の風土(カルチャー)に影響を与えます。人は物の見方と考え方で変わるのです。

職員の小さな、一つ一つの行動にしっかりとした教育訓練をしてゆかなければなりません。例えば、永守式6S:整理、整頓、清潔、清掃、 作法、躾、です。9.11のNY市長ジュリアーニは、「割れ窓理論」を元に、徹底的に街の落書き、軽微な犯罪を取り締まりを行いました。結果、凶悪犯罪の件数をも激減させることに成功しています。

スクールウォーズを観たことがありますか? 高校の廊下をバイクが走り、窓ガラスはことごとく割られ、学校に来ない学生が沢山いる。山口良治先生は、「この子たちに必要なのは誇りだ。」と考えて、学校を誇れるところに変えることに心を砕いた、とテレビで聴いたことがありました。

 

経営者のもっとも大事な仕事の一つですね、マインド(素)をもって法人の風土(カルチャー)を作る。職員に物の見方と考え方を教えて、自分が働く法人に誇りを持ってもらうこと

もちろん、「分かってるよ、あなたに言われなくても。」との声が聞こえてくるようです。では、行動に移しましょう。経営者のもっとも大事な仕事の一つですね。