「能登地震を受け、四国でも被害想定の見直しを表明する自治体が相次いでおり、今後さらに増える可能性もある。」
「1月に発生した能登半島地震を機に、四国でも南海トラフ地震への警戒が強まっている。最大クラス(マグニチュード9.0、震度7)が起きた場合、四国4県を合わせた現在の最大被害想定では死者数が9万5500人にのぼり、発生翌日の避難者数は100万人を超える。」
「能登地震を受け、四国でも被害想定の見直しを表明する自治体が相次いでおり、今後さらに増える可能性もある。」
高知県
「高知県地域防災計画(2023年6月修正)によると、土佐清水市と黒潮町で最大34メートルの津波襲来が予測されている。揺れも激しく、26市町村で震度7、8市町村で震度6強と想定される。」
「13年5月に策定した最大の被害想定では、建物被害は全壊・焼失が約16万棟、死者数は約4万2000人(津波約3万6000人)。発生翌日の避難者数は約43万8000人、孤立集落は657集落、直接経済被害額は9兆円にのぼると見込まれる。ライフラインの断絶も深刻で、上水道の断水人口は57万5000人に及ぶ。」
愛媛県
「愛媛県の地域防災計画(23年2月修正)などによると、松山市をはじめとする13市町で震度7、7市町で震度6強と予測される。県内最高位の津波は、発災から59分後の伊方町の名取西海岸で、21・3メートルに達するという。」
「被害想定では、死者約1万6000人を見込み、うち半数は津波が原因としている。全壊または焼失する建物被害は約24万棟と予測。発生翌日の避難者数は約43万7000人にのぼるとしている。電力、ガス、水道のライフラインや交通施設などを含めて、直接的な経済被害は16兆2000億円と試算している。」
香川県
「香川県地域防災計画(24年2月修正)では、県内を三つに分けた場合の東と西の平野部を中心に震度6強、観音寺市と東かがわ市、三豊市のごく一部で震度7を予測している。津波に伴う最高水位は2・2~3・8メートルで、高松市、観音寺市など8市町で3メートル以上。浸水面積は県全体で69・8平方キロに及ぶ。」
「14年6月にまとめた被害想定では、最大で3万5000棟が全壊し、死者数は6200人、発生当日と翌日の避難者数は19万9000人。直接的な経済被害は3兆4000億円にのぼると試算されている。」
徳島県
「徳島県地域防災計画(23年1月修正)によると、紀伊水道に面した徳島市から阿南市にかけての沿岸域で震度7、県南部や吉野川下流域で震度6強と予測している。地震発生から44分後には海陽町・宍喰漁港に15・8メートルの津波が押し寄せると見込まれている。」
「被害想定では、県内で全壊建物は最大11万6400棟。死者は3万1300人、避難所以外での生活を余儀なくされる住民を含めると、避難者数は直後に31万600人、1週間後には36万2600人にのぼる恐れがある。ライフラインでは、発生1日後でも上水道73%、電力72%などが使えないと想定され、県内の直接的な経済被害は6兆4000億円以上と試算されている。」