【現状の評価】
<現状と課題>
各種のサービスは利用者に必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の 1社会的孤立感の解消 及び 2心身の機能の維持並びに 3利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減(レスパイトケア)を図るものである。
報酬については、1サービス提供時間(平成30年度改定より、1時間単位で設定)、2事業所規模(通常規模型、 大規模型I、大規模型II)に応じた基本サービス費用としている。
※ 認知症対応型については、地域密着型より定員が少ないこと、利用者が認知症の人に限られることから、地域密着型より基本サービス費用を高く設定している。
請求事業所数は、通所介護・地域密着型通所介護については、制度開始以降平成27年度まで増加傾向にあったが、 平成28年度以降はほぼ横ばいである。認知症対応型通所介護については、平成27年度までは増加傾向にあったが、平 成28年度以降減少傾向にある。
受給者数は、通所介護・地域密着型通所介護については、要介護者に関しては制度開始以降一貫して増加傾向にある。認知症対応型通所介護については、平成25年度までは増加傾向にあったが、平成26年度以降減少傾向にある。
費用額は、通所介護・地域密着型通所介護については、平成26年度までは、毎年約1,000億円ずつ増加していたが、 要介護者分の伸びは平成27年度以降は鈍化している。
要介護度別利用者数は、通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護すべてにおいて、要介護1の利用者が最も多く、次いで要介護2の利用者が多い。
収支差率(平成30年度決算)は、通所介護・地域密着型通所介護については対平成29年度比で減少していたが、認 知症対応型通所介護については増加していた。
加算の算定率は、通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護すべてにおいて、入浴介助加算の算定率 が最も高かった。また平成30年度改定において新設した加算の算定率(算定回数・日数ベース)は、いずれも1%に満たなかった。
【論点】
平成30年度介護報酬改定では、以下の対応等を実施した。
1 基本報酬のサービス提供時間区分の見直し
サービス提供時間区分について、それまで2時間ごとの設定としていたところ、事業所のサービス提供時間の実態を踏まえて、1時間ごとに見直し。
2 生活機能向上連携加算の創設
自立支援・重度化防止に資する介護を推進するため、生活機能向上連携加算を創設し、通所介護事業所と外部のリ ハビリテーション専門職が連携して、機能訓練のマネジメントをすることを評価。
3 アウトカム評価(ADL維持等加算)の創設(通所介護・地域密着型通所介護のみ)
一定期間内に当該事業所を利用した者のうち、ADLの維持又は改善の度合いが一定の水準を超えた場合を評価。
4 機能訓練指導員の確保の促進
機能訓練指導員の確保を促進し、利用者の心身の機能の維持を促進する観点から、機能訓練指導員の対象資格に一 定の実務経験を有するはり師、きゅう師を追加。
5 共用型認知症対応型通所介護の普及促進(認知症対応型通所介護のみ)
共用型認知症対応型通所介護について、ユニットケアを行っている地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に おける利用定員の数を、1ユニットあたりユニットの入居者とあわせて12人以下に見直し。
<論点>
今後も高齢化の進展による需要の増大や、現役世代の減少に伴う担い手不足が見込まれることを踏まえ、
・ 都市部や中山間地域等のいかんにかかわらずサービスを受けることができるようにする観点
・ 人材の有効活用や業務効率化を図る観点
・ 質の高いサービスを提供する観点
からどのような方策が考えられるか。