今日は、二宮尊徳さんの故郷の近くで仕事です。ここは「とちおとめ」の生産地です。

写真の右に小さな像があるのがわかりますでしょうか、二宮金次郎さんの銅像です。金次郎さんは蒔きを担いで勉強していただけの方ではありません。大変優秀な農政学者であり思想家であったと言われています。私欲に走ることなく社会に貢献すれば、いずれ自らに還元されるという「報徳思想(ほうとくしそう)」を説いたことで有名な人です。農村復興政策「報徳仕法」(ほうとくしほう)の指導者として地域に多大な貢献をされた方です。インテリでもあり、多くの名言を残しています。

 

大事を成さんと欲する者は、まず小事を務むべし。大事を成さんと欲して小事を怠り、その成り難きを憂いて、成り易きを務めざる者は、小人の常なり。それ小を積めば大となる。

善悪と言っても、天が決めたものではなく結局、人間にとって便利かどうかだけの話である。

すべての商売は、売りて喜び、買いて喜ぶようにすべし。売りて喜び買いて喜ばざるは道にあらず。貸借の道も、また貸して喜び、借りて喜ばざるは道にあらず。

貧富の違いは、分度を守るか失うかによる。

貧となり富となる。偶然にあらず、富も因て来る処あり、貧も因て来る処あり。人皆貨財は富者の処に集まると思へども然らず。節約なる処と勉強する所に集まるなり。

人々にはそれぞれ長所もあり、短所があるのは仕方がない。相手の長じているところを友として劣っているところは友としてはいけない。人の短所を捨て、長所を友とするのだ。

誠実にして、はじめて禍(わざわい)を福に変えることができる。術策は役に立たない。

キュウリを植えればキュウリと別のものが収穫できると思うな。人は自分の植えたものを収穫するのである。

人道は一日怠れば、たちまちすたれる。

私が最も好きな言葉:道徳を忘れた経済は、罪悪である。経済を忘れた道徳は、寝言である。←これを初めて聞いた時、あまりに粋(いき)で、トンカチで頭を叩かれた気分になったのを覚えています。なんとおしゃれなことか。なんと賢い方なのか。