Ⅰ 地域包括ケアシステムの深化・推進
(5)適切なケアマネジメントの推進等
【適切なケアマネジメントの推進】
ケアマネジャーの資質の向上も含め、適切なケアマネジメントを推進していくためには、市町村や地域包括支援センターによる支援の充実が重要であるが、この点については、上記1.(2)で記載した通りである。
また、ケアマネジャーの資質向上を図る観点からは、適切なケアマネジメント手法の策定も重要である。国にお いてもこの取り組みに着手しているところであるが、今後、ケアマネジメント手法の標準化に向けた取組を順次進 めていくことが適当であり、本部会ではアセスメントやプロセスの手法の標準化を推進すべきとの意見があった。
さらに、人材育成については、ここの居宅介護支援事業所における取り組みも重要である。しかし、管理者の中には人材育成やケアマネジャーの業務の実施状況の把握に課題を抱え、また、ケアマネジャーが1人のみの事業所については、他の事業所に比べ、相談できる相手がいないなど悩みを抱えている割合が多い実態が見られれる。
一方で、ケアマネジメントの公正・中立を確保するための取組の一つとして、特定事業所集中減算があるが、この減算については、平成28年3月に会計検査院から、必ずしも合理的で有効な施策であるとは考えられないことな どの指摘を受けているところであり、また、本部会でもその実効性が乏しく、見直しをすべきとの意見があった。
また、今後、重度者や医療の必要性が高い利用者が増えていくと考えられることから、医療ニーズを踏まえた適切なアセスメントや、ケアマネジメントを行う際の医療との連携が重要になる。例えば、医療院した人が退院後に円滑に在宅生活に移行するためには、入院時にケアマネジャーが関与し、医療機関と連携を図ることが重要であるが、その取組が必ずしも十分ではないとの指摘もある。
これらの状況を踏まえ、適切なケアマネジメントを推進するため、居宅介護支援事業所における管理者の役割の明確化、特定事業所集中原産の見直しも含めた公平中立なケアマネジメントの確保、入退院時における医療・介護の連携強化等の観点から、居宅介護支援事業所の運営基準の見直しを平成30年介護報酬改定の際にあわせて検討することとするのが適当である。