○田中分科会長 では、再開いたします。
後半は、議題1のうち「小規模多機能型居宅介護及び看護小規模多機能型居宅介護」について議論を行います。
事務局から説明をお願いします。
○鈴木老人保健課長 老健課長でございます。
それでは「小規模多機能型居宅介護及び看護小規模多機能型居宅介護」についての御説明をさせていただきます。
資料につきましては、資料2と参考資料2をあわせてごらんいただければと思います。
まず、小規模多機能型居宅介護の現状を御説明させていただきます。
参考資料につきましては2ページになりますが、御存じのとおり、小規模多機能型居宅介護、いわゆる「小多機」と言われているものにつきましては「通い」と「泊まり」それから「訪問」の3つのサービスを合わせて提供することによって、在宅生活の支援を行うサービスになっております。
3ページが、それぞれ小多機の本体のほうの基準となっておりまして、代表者、管理者、それから日中と夜間のそれぞれの職員の数、それと看護職員が必ず1名以上いることと、本体につきましては、いわゆる登録定員が29名まで登録することができます。
それに附属して、いわゆる「サテライト」と呼ばれるものもできるようになっておりまして、これは登録定員が18名までで、本体施設がある場合については、一部本体との兼務が可能というサービスが提供できるようになっているところでございます。
資料のほうの1ページの最初の○でございますが、小多機につきましては、制度創設以降、請求事業所数・利用者数ともに増加しているところでございまして、これの参考資料が5ページになります。事業所数につきましては4,984、1事業者当たりの利用者数については17.2名というのが現状になっております。
なお、前回の平成27年度の介護報酬改定におきましては、利用者の生活全般に着目し、主治医や看護師等の多様な主体との意思疎通を図り、適切に連携するための体制構築に取り組むなど、積極的な体制整備を評価する総合マネジメント体制加算につきましては、参考資料の4ページになりますが、右の加算のところに書いております、右側の上から3番目「包括サービスとしての総合マネジメント(1,000単位/月)」。もう一つは、在宅生活を継続するために支援をさらに強化する観点から、訪問サービスを積極的に提供することなどを評価する訪問体制強化加算。これがその上になりますが「訪問サービスの提供体制の強化」ということで、こういった加算を新設したところでございます。
全体的には、先ほど申しましたとおり、4月審査分で請求事業所数は4,984、利用者数は85,200人となっているところでございます。
平成27年度の報酬改定ではさらに、先ほど申しました、登録定員の上限を25名から29名まで引き上げたことになってございます。4月審査分では、先ほど申しましたとおり、1事業者当たり平均17.2名の登録がなされているところでございます。
それから、参考資料1ページの2番目の○でございますが、平成27年度4月以降になりますけれども、登録定員を変更した事業所につきましては、平成28年1月時点で34.8%(529事業所)になります。これにつきましては、参考資料7ページの一番上段に書いておりますが、全体調査の対象である1,522事業所に調査したところ、529事業所、割合としては34.8%が登録定員を変更したところでございます。登録定員の変更につきましては、変更前の平均値が24.5名だったものが、変更後になりますと28.1名になっているところでございます。
戻っていただきまして、参考資料の一番下のところになりますが、加算の取得状況についてでございます。新設した加算の取得状況につきましては、総合マネジメント体制強化加算を取得している事業所の割合が79.8%、訪問体制強化加算を取得している割合は27.4%になっております。
資料の2ページになりますが、小多機の続きでございます。職員の総数の平均値でございますが、参考資料につきましては8ページになります。職員総数の平均値につきましては14.23人で、そのうち常勤が8.61人、非常勤が5.83人。常勤換算に直しますと、11.28人というのが現在の職員の数になっているところでございます。また、職員の充足状況については、足りていないと回答している事業所が約4割になっております。
資料のポツの2番目になりますが、小規模多機能型居宅介護、いわゆる小多機の利用者の中には、訪問リハビリテーション等のサービスを受けている者も一定程度存在しております。それにつきましては参考資料の11ページになりますが、訪問看護ステーションのサービスを受けている者が全体の割合の中の23.4%、いわゆるリハビリを踏まえた訪問看護ステーションを行っている者が18.1%、訪問リハビリテーションが17.0%という数字になっているところでございます。
続きまして、本体の資料の3ポツ目になります。小多機のケアマネジメントについてでございます。
小多機の利用に当たりましては、居宅介護支援事業所の介護支援専門員ではなく、小規模多機能型居宅介護事業所の介護支援専門員が居宅サービス計画を作成することとなっております。これにつきましては、先ほど御説明しました、3ページの基準の中にありますが、本体の事業所の中には、一番下にありますけれども、居宅介護支援専門員につきまして1名以上配置することになっておりまして、この方が小多機の居宅サービス計画を作成することになっております。
この点におきまして、利用者の日々の状態に応じたケアマネジメントを臨機応変に行うという観点から、こういった介護支援専門員を配置しているところでございますけれども、平成26年度の「社会保障審議会介護給付費分科会」におきましては、小多機の利用を促進する観点からケアマネジメントのあり方についての議論をしたところでございますが、現時点では見直しを行わないという結論に至っているところでございます。
その後、「平成28年の地方からの提案等に関する対応方針」につきましては、参考資料の12ページになりますが、この中で「小規模多機能型居宅介護に係る居宅サービス計画を指定小規模多機能型居宅介護事業所に置かれる介護支援専門員以外の介護支援専門員が作成した場合における居宅介護支援費の算定については、議論の必要性も含めてその在り方について検討し、平成30年度介護報酬改定に向けて結論を得る。その結果に基づいて必要が措置を講ずる」とされておりますので、今回はこういったことも議題とさせていただいているところでございます。
なお、13~15ページにつきましては、前回、鈴木委員のほうから「新型多機能サービス」という御発言がございましたので、参考までにつけさせていただいているところでございます。
本体資料に戻りまして、3ページになりますが、次からは看多機についての御説明をさせていただきます。
看多機の現状でございますが、参考資料の17ページが全体像になります。看多機につきましては、いわゆる小多機のサービスに訪問看護がつけ加わったということになります。そういったサービスで地域の在宅の方々を支えるということと、もう一つは、訪問看護を提供して、利用者以外への訪問看護も行えるサービスになっているところでございます。これに関する基準につきましては、18~19ページにありますので、後でごらんいただければと思います。
今回の27年度改定におきましては、小多機と同じように、総合マネジメント体制強化加算の新設ですとか、登録定員の上限の引き上げなどを行ったところでございます。両者の重度化に伴いまして、今後、訪問看護の重要性が高まることを鑑みまして、さらに訪問看護体制強化加算というものも新設しているところでございます。
これにつきましては、20ページの右側が加算一覧になっておりますけれども、右側のボックスの中の左側の上から3番目「医療ニーズに重点的に対応する体制を評価」ということで、訪問看護体制強化加算を新たにつけ加えるということでございます。
全体的な看多機につきましての請求事業所数の問題でございますが、それにつきましては21ページをごらんいただければと思います。事業所数につきましては、左側のグラフにありますが、現在は318事業所が看多機を行っているところでございます。
また、右側にありますとおり、看多機を行っている事業者がある保険者の割合につきましては、保険者数全体の11.3%の保険者の中においては看多機が行われている状況になっています。
22ページがその一覧ということで、それぞれ看多機の所在地別の指定事業所数ということで、一覧として挙げさせていただいております。
また、看多機につきましては、23ページをごらんいただければと思いますが、要介護度につきましては、要介護度が高いものが多くなっているということと、1事業所当たりの利用定員の数につきましては、現在は19名が定員数となっております。
また、前回、平成27年に登録定員を25から29に引き上げたわけでございますけれども、同じように定員を引き上げたところが、ここで言いますと、全体157のうち73、約半数のところが定員を引き上げている状況になっております。
続きまして、本体資料の3ページ、2番目のポツでございますが、参考資料につきましては24ページからでございます。看多機の開始前の事業といたしまして、いわゆる小多機から今回の小多機に移行するケースが41%、訪問看護から看多機に移行するケースが32%ということで、これらの2つのサービスからの移行が多くなっております。
事業開始の困難な理由につきましては、参考資料の31ページをごらんいただければと思います。一番上に「複合型サービスの開設予定」ということで、小多機の方々が複合サービス、いわゆる看多機を行うのか、もしくは訪問看護ステーションから看多機を行うことを考えているのかということについて、左側で示しておりますが、それぞれ95.2%、94%の方々については、いわゆる看多機の開設の予定はないと回答されています。
予定がないという回答をされた中で、その下にあります、検討したか、検討していないのかということになりますと、検討したというところが、小多機の場合ですと約24%、訪問看護ステーションの場合は15%になります。ただし、検討したけれどもやらなかった理由が、赤の矢印で示している先のところでございますが、検討ありの場合の検討した理由ですけれども、なぜ検討したかというと「法人内利用者の医療ニーズが高いため」「地域の医療ニーズに対応するため」ということで、一応、検討したけれども、結局は開設しなかったという状況になっています。
もう一方は、検討はしていないということで、検討しない理由、もしくは検討したのだけれども、検討の結果、開設しなかった理由ということで右側に書いておりますが、検討はあるのだけれども、検討の結果、開設しなかった理由で一番多いのが「看護職員の新規確保が難しい」で約66%、3分の2になっております。その次に多いのが「事業採算の見通しが立たなかった」というところで、この辺が開設を断念した理由となっているところでございます。
それから、サテライトの関係でございますが、これにつきましては、戻っていただきまして、資料の28ページをごらんいただければと思います。サテライト型の事業所の取り扱いにつきましては、看多機と小多機では取り扱いが異なっております。看多機につきましては、本体事業所として設置する場合につきましては、基本的には小多機のサテライトをつくっていただくという仕組みになっているということで、看多機のサテライトという制度については現在はないという状況でございます。
続きまして、本体資料の4ページになります。「医療ニーズの高い利用者やターミナル期の利用者等への対応」になります。参考資料につきましては、32ページをごらんいただければと思います。
看多機の利用者につきましては、要介護3以上が約6割ということで、小多機に比べまして要介護度が高い方々を多く受け入れているという現状になります。
特に、開始前の事業所が訪問看護ステーションの場合になりますと、参考資料の34ページになりますが、訪問看護体制強化加算等の算定率が高いなど、比較的高い機能を有している結果にもなってございます。
また、看多機に従事する介護職員のうち、喀たん吸引等の業務の登録認定を受けた事業者、いわゆる認定特定行為事業者が行っている割合でございますが、これにつきましては、参考資料の38ページになりますけれども、ほかの地域密着型サービスと比べまして、従業者に占める割合が4.9%、比較的高い割合の方々が従事しているという結果になっているところでございます。
続きまして、看多機における過去1年の利用終了者のうちの転機でございますが、参考資料につきましては39ページをごらんいただければと思います。利用終了で多いのがやはり入院ですが、それ以外に施設や入院の利用者は半数以上いますけれども、在宅死亡が8%、事業所内でのみとりにつきましては16%、過去1年に在宅死亡があった事業所、これは一番下のグラフになりますが、これにつきましては、約66%の事業所で在宅死亡のみとりを行った経験があるという結果が出ております。
本体資料の4つ目の○でございますが、事業開始時の一定期間における経営の安定化を図るための評価ということで、参考資料につきましては40ページになります。小多機及び看多機につきましては、事業開始後の一定期間において経営の安定化を図るための評価といたしまして、27年度までの時限措置として事業開始時支援加算が設けられておりました。27年度の介護報酬改定の際には、小多機につきましては予定どおり同加算を廃止したということでございますが、看多機につきましては、加算の算定状況ですとか収支状況等を踏まえ、今後もさらなる整備促進を図るという観点から、平成29年度末まで延長することとしております。
それにつきまして、事業開始加算を算定している割合でございますが、次の41ページになりますけれども、平成28年4月時点では16%になっております。また平成28年度介護事業経営概況調査の結果でございますが、これは42ページになります。看多機につきましては、集計事業所数が少ないために参考値扱いになっておりますけれども、収支差率は、平成26年の1.4%から、平成27年度は6.3%に改善しているという結果になってございます。
こういったことを踏まえまして、本体資料の5ページに論点を挙げさせていただいております。
まず、共通の論点といたしまして、
○ 小多機や看多機について、請求事業所数や利用者数の現状を踏まえると、更なる普及が課題であると考えられるが、サービス供給量を増やす観点や機能強化・効率化を図る観点から、人員基準や利用定員の在り方についてどう考えるか。
○ 小多機や看多機について、看護職員の雇用が難しいという声があるがどう考えるか。
続きまして、小多機に関する論点になります。
○ 小規模多機能型居宅介護事業所に置かれる介護支援専門員以外の介護支援専門員が居宅サービス計画を作成した場合の取扱いについてどう考えるか。
○ 小規模多機能型居宅介護と他のサービスとの併用についてどう考えるか。
6ページになります。今度は看多機に関する論点になります。
○ 看多機と小多機におけるサテライト型事業所に関する取り扱いが異なる点についてどのように考えるか。
○ 看多機のサービス(「通い」「泊まり」「訪問(介護)・訪問(看護)」)の特性を踏まえて、医療ニーズが高く看取りまで対応する体制のあり方についてどのように考えるか。
○ 事業開始時支援加算は平成29年度末までの時限措置となっているが、サービスの普及状況や経営状況を踏まえてどのように考えるか。特に経営状況については、平成29年度介護事業経営実態調査の結果も踏まえて検討してはどうか。
以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
ただいま説明のありました事項について、御質問、御意見があればお願いします。
鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 それでは、論点に沿ってお話をさせていただきます。
意見と質問がありますが、まず5ページの「共通の論点」の部分でございます。上のほうの○でございますが、前回の改定で登録定員を25から29名に増加したわけであります。なぜ29名なのかを質問しましたところ、そのときの説明では、地域密着型特養の定員を見ても、小規模の上限は29名だという説明でありましたので29名以上に人数が多い小多機はない、小規模の地域密着型サービスはないのだと理解したわけであります。
ですから、それは29名でよろしいと思いますけれども、その議論の中では、登録者のサービスは包括的ですから、内部はより柔軟にしてもいいのではないかという話をしました。例えば「通い」の人数を18よりもう少しふやしてもいいのではないかと考えております。前回もそういうお話をさせていただいております。
それから、2つ目の○につきましては、小多機につきましては外部の看護職員の活用も可能だと思われます。ただし、きちんと看護師を確保しているところとの整合性を図る場合には、減算という措置が必要になると思います。
看多機につきましては、そもそも看護職員が集められないということであれば、看多機をやる資格はないと思います。看護職員の雇用ができない、でも看多機をやりたいといっても、それは無理な話だと思います。
次の小多機のところでございますけれども、この小多機のケアマネは外のケアマネでもいいのではないかということは昔から議論がありまして、もう事実上決着している話でございます。ケアマネが内包されているために、サービスの柔軟性が担保されておりますので、外部のケアマネが計画を作成した時点でそれは小多機ではないと考えられます。これはもう終わった議論だと思います。
それから、小多機と他のサービスについてということですが、これは具体的に何を考えているのかを質問したいと思います。例えば、訪問看護が必要な場合はありますので、小多機の看護職員が重度者の自宅へ訪問看護を行った場合には加算があってもいいと思いますけれども、それ以外に何かお考えがあるのか。看多機ができましたので、それ以上の場合は看多機ということになると思いますが、例えば、ADLが低下した人に対して、リハビリを強化するためにリハビリ専門職をもっと入れることを考えているのか。前回も小多機の多様化ということで、小規模の範囲の中で看多機もできたということですので、そういう意味ではリハ多機のようなのを考えているのかどうか、事務局のお考えを伺いたいと思います。
続いて、6ページの論点でございます。サテライトの扱いでございますが、看多機は小多機よりも機能が重いので、サテライトは小多機なら可能ということですが、基準を緩和した看多機のサテライトというのは矛盾があると思うのです。もし、さらにそのニーズがあるということであれば、新たに看多機を新設すべきであって、サテライトは小多機のままとすべきではないかと思います。
2つ目の○です。看多機で看取りを行いたいということでありますが、そのためには医師の関与が必要でありますので、かかりつけ医が定期的に訪問診療を行っていることを含めた要件の設定が前提になると思います。
3つ目の事業開始時支援加算でございますけれども、これは看多機のみが残っていたわけですが、資料にもありますけれども、平成27年度の収支差率を見ても大幅に改善しておりますので、参考値とはいえ、平成29年度末で廃止していいと思います。
それから、新型多機能サービスの資料も出していただきましたので、それについての意見を改めて申し上げさせていただきたいと思います。新型多機能サービスは、そもそも小多機の一類型ではありません。それにもかかわらず、新類型を小多機の一類型とする理由、根拠について事務局より説明をしていただきたいと思います。小多機は宅老所の実践を踏まえて、我が国が独自に生み出した先進的な認知症ケアの制度で、認知症ケアの有効な手法である地域密着、小規模、多機能を制度に反映させているものです。新型多機能は、そうした認知症ケアの標準を否定するものであり、小多機の制度のあり方そのものを破壊するものであります。また、世界の認知症ケアの常識にも反する机上の空論であるばかりか、今後の在宅サービスの制度改革の中心である中重度者対応の強化や、認知症対応強化にも逆行するものと考えられます。
また、先ほどもお話しさせていただきましたが、サ高住や定期巡回の不適切事例の是正を行わないまま、新型多機能サービスが大規模なサ高住に併設された場合、サービスの質の低下した粗悪な介護サービス併設型住宅ができるばかりか、財政的にも介護保険財源を食い潰しかねないと考えられます。中重度者の対応を図るのであれば、既存の通所介護を機能強化し、複合化を推進したほうが有効であり、財源的にも効率的であると考えます。
新型多機能サービスと、今回の図から外されておりますが、同時に提案されている特定圏域生活支援拠点は圏域独占となり、利用者によるケアマネ事業所の自由な選択の可能性を奪うものとなります。競争のない独占的なサービスの提供体制は、サービスの質の低下を招く可能性が非常に高いと思われます。地域独占の推進ではなく、まず現状のアセスメントやケアマネジメントの問題点を抽出し、その解決を議論すべきであると考えます。
今から新たなサービスである、新型多機能サービスや特定圏域生活支援拠点という机上の理論を無理やり制度化するのではなく、せっかく定着してきている小多機の整備、サテライトの柔軟な活用を含めて、既存のサービスがたくさんあるわけですから、これらの組み合わせによる多機能化・複合化を推進すべきであると考えます。
以上です。
○田中分科会長 御質問についてお答えください。
○三浦振興課長 ありがとうございました。
まず1点目は「論点」の中にある「他のサービスとの併用」に関して「リハ多機」という単語で御質問をいただいたかと思いますけれども、基本的に、今の参考資料の11ページでもお示しをいたしましたとおり、小規模多機能型居宅介護サービスを利用されている方も、ほかのサービスとの組み合わせをニーズに応じてされている現状があるということを踏まえて、必要に応じてどのようなことが対策として考えられるかといったようなことを、これから御議論をお願いできればと考えているところでございまして、新類型のサービスをつくる、つくらないということを今、手元に持ち合わせているわけではございません。
2点目が、最後に新型多機能の中で、これは小規模の一類型なのかどうかという御質問があったかと思います。少しテクニカルなので、それが一類型かどうかというより、同じものとして見るべきかどうか、単に定員が大きいと見るべきかどうかといったところはまさに御議論かとは思いますけれども、利用定員のみならず、幾つか既存の小規模多機能とは違う性格を持っているのは事実かと思います。
○田中分科会長 東委員、どうぞ。
○東委員 ありがとうございます。
この小規模多機能型居宅介護サービスが創設されて約10年になるわけですが、私は全老健の会長として、この小規模多機能型居宅介護サービスが創設されたときに、老健施設がもう少し在宅支援をきちんとやっており、大規模多機能という老健施設の与えられた使命を果たしていれば、もしかしたらこの小規模多機能型居宅介護サービスというものも生まれなかったかもしれないと反省もしておりますし、忸怩たる思いでおります。
それを踏まえまして、この10年で老健施設も大分変化しております。在宅強化型老健等もできましたし、その数も随分増えておりますので、既存の施設サービスである老健施設が、いわゆる多機能性を果たしている状況も皆さんに御理解いただきたいとまず申し上げておきます。
その上で「論点」のところでも述べられていることを申し上げます。
まず、この小規模多機能型居宅介護サービスでございますが、参考資料2の11ページに、小規模多機能型居宅介護サービスの場合に、リハビリが使われている割合が大変少なく、2割以下という表がございます。老健施設の在宅支援の場合は、ショートでも、通所でも、入所でもしっかりリハビリを提供していますので、そこが小規模多機能型居宅介護サービスの場合は少し弱いのではないかと思っております。ただ、制度上、これもなかなか難しいことなのかもしれませんが、そこは課題ではないかと思います。
それから、参考資料2の13ページに「新型多機能サービスの創設について」とあって、今、鈴木委員も言及しておられましたけれども、地域包括ケア推進研究会というところからこの考え方が出されているようですが、私どもこの介護給付費分科会の委員としてこれは初めて聞くことでございます。地域包括ケア推進研究会にどのような方がいらしてこういうことをおっしゃっているのかはわかりませんが、この趣旨を見ますと「介護専門職の処遇向上と在宅中重度者を最期まで地域で看取ることを可能にするため」と書いてあります。先程、田部井委員も利用者の立場からいくと非常に制度が複雑だとおっしゃっておりました。24時間定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護サービス、看護小規模多機能型居宅介護があるなか、そこへさらに新型多機能サービスの創設。私は、日本は幾つこういう箱物をつくったらいいのかと。今でさえサービスがたくさんあるわけですから、そろそろこういうのは、やめませんか。先程、鈴木委員もおっしゃいましたが、既存のサービスをいかに効率よく使うか。もし使いにくければ、規制をどのように緩和するかを日本は考えるべきであって、こういうものをつくってますます財政的に負担が増えるのでは、日本の将来的にこれは合わないと思います。
ですから、この新型多機能サービスについては、さらっと見ただけですが、私は反対でございます。
それから、看護小規模多機能型居宅介護についてですが、創設されてから4年で318事業所とこれもかなり少ないと思います。必要な地域では必要なのでしょうけれども、先程24時間定期巡回・随時対応型訪問介護看護のときも申し上げましたが、看護小規模多機能型居宅介護のニーズがどれぐらいあるのか。4年でこれだけしか増えないというのは、それほどニーズがないのか。それとも、ニーズがあるけれどもできないのか。そういうところをきちんとエビデンスを踏まえた上で、今後この看護小規模多機能型居宅介護も増やしていくのかどうかを議論していただきたいと思います。
資料2の6ページに看護小規模多機能型居宅介護の論点として、『医療ニーズが高く看取りまで対応する体制のあり方』が挙げられていますが、参考資料2の39ページのグラフでは、看取りの対応が24%と意外に少ないですし、医療ニーズについては、今回の資料に出ておりません。私が手に入れた資料によりますと、看護小規模多機能型居宅介護の医療ニーズとしては、服薬管理、摘便、かん腸、そういうものが多くございます。先程も申しましたように、そのような医療ニーズであれば、老健施設でも十分対応できるわけでございまして、地域によっては老健施設がそういう機能を果たしていないから看護小規模多機能型居宅介護が必要だということもあるかもしれません。いずれにしましても、看護小規模多機能型居宅介護の場合も、必要なニーズに沿った整備を考えるべきであると考えております。
以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
安部委員、どうぞ。
○安部委員 参考資料22ページを見させていただきまして、相当ばらつきがあるという印象がございます。小多機は約5,000、看多機は318、請求事業所数は330。この表を見せていただくと、私は東京都板橋区に住んでおりますが、板橋区には看多機が1件もないことが示されています。北海道を見ますと札幌市には20あって、これは公募ではなくて事業者が自主的に看多機をつくったということでしょうし、右側の佐賀県唐津市ですと、公募が4件で、事業者数が4件ということですから、恐らく唐津市が何らかの対応をして、こういった施設をつくったということかと思います。
私が申し上げたいのは、看多機の機能は、私は板橋区に住んでいますから一度も見たことがございませんし、必要な機能かとは思いますけれども、必要な機能であれば、こういう各地のばらつきがあることについては大きな問題があろうかと思っておりますし、必要なところに必要な数ができないようであれば問題だと思っております。
また、現在その機能がないところでは、一体どうやってそういうサービスを提供していて、医療・介護を提供しているのだというところも踏まえなければいけませんし、例えば、札幌市のようにこの機能が充実しているところとその他ではどう違うのかも評価する必要があろうかと思っております。
もう一点ですけれども、イメージが浮かばないというか、わからないので教えていただきたいのですが、30ページに「サテライト型小規模多機能型居宅介護事業所の設備・運営基準」がございます。前改定で、本体事業を29までふやしたことを御説明いただきましたが、登録人数ですとか、通い・泊まりの人数が6~8割のところでサテライトを2カ所までつくってよろしいということでありますが、私のイメージだと、サテライトが本来の3分の2の大きさがあって、それが2件できるということになりますと、本体よりもサテライトの総計が大きくなる可能性もあります。地域の実情から、どうしてもそういう配慮が必要なのかもしれませんが、この際にはしっかり本体のほうの管理者、管理体制が全体として2倍以上になる可能性があるわけですので、そこについてもしっかり管理をしておかないといけないと思います。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございます。
鷲見委員、どうぞ。
○鷲見委員 ありがとうございます。
ケアマネジメントについても、ここでも課題に挙げられていますので、現状を踏まえてお話をしたいと思います。
基本的には、ケアマネジメントは外づけであるべきだと、当協会としてはずっとお話ししてきているわけでして、その意味はやはり第三者としてケアマネジメントができるところにあると思います。しかし、小規模多機能のケアマネジメントのよさというのは、サービスの特性に合っているということなのだろうと思います。
しかし、設定した理念が崩れてしまわないように、ケアマネジメントを内包している全体のサービスをも同時に考えていかないと、ねじれていってしまうのではないかと思っているところです。
特に、利用者さんと密接に関係していくわけですので、利用者の要望に安易に応えるサービス提供をしてしまいますと、そもそもの介護保険の理念である、自立支援に資することへの、サービスの中ででもケアマネジャーとしてもジレンマを抱えていく結果になっていくと思っています。
小規模多機能では、認知症に特に重点的に対応していくところがありますので、その対応が大変な方や不安定な方に柔軟に対応できるために、ケアマネジャーが当事者をよく知っていたり、24時間きちんと見られたり、ニーズの変化に迅速に対応できるというよさが確実にあると思っております。
一方、先ほども申し上げましたが、利用者や家族との関係が近過ぎること。そして、ケアマネジャーが、認知症などの理解やケアマネジメントの力がそういった意味でも必要であると思っています。
現場のケアマネジャーといたしますと、多分、小規模の中にいらっしゃる人たちはよさを非常に感じているという結果も出ていることも事実です。ケアマネジメントをしていることのよさを感じているところもありますが、兼務状態であるというのが、当協会のアンケートでも約8割の人が、介護職とケアマネジャーを兼務している状況があり、その中でしっかりとしたケアマネジメントができる体制にないことに課題を感じていることが言われています。
特に、例えば外のほうで、外づけのケアマネジャーさんはどうですかというお話を伺ってみますと、小規模の方々は、毎日ケアマネジャーが訪問するぐらいの覚悟がないとできないと、本当にしっかり頑張っていらっしゃる小規模のところでございますが、そのようなお答えもあったとのことです。
一方で、一旦小規模に入ってしまいますと、包括払いであるために、法人の姿勢にかかわっているところもあります。例えば、社会資源の活用や医療的なサービスの導入が適切にされていないケースや、このデータでもありますが、人材の確保が難しいために、利用制限を言ってくる事業所も出ています。また、ショートステイは必要というものをとっていらっしゃいますので、ここが利用者にとってみると負担だというお話もありますし、長期ショートステイ化しているところがあるということも聞いています。
こういった実態を踏まえて、先ほどからケアマネジャーが24時間にしても、小規模にしても紹介していないとか、そこを理解していないというお話があるわけですが、実態をよく知っているケアマネジャーだからこそ、この点についてきちんと利用者家族と話した上で、最終的には選択している結果が、今のこの数字になっていると我々は認識しているところです。
そういった中で、今後、特に本来の理念に基づくケアをしていただくためにも、地域密着型のよさからも、保険者の責任としても、限りある社会資源を利用者同士で考えていくとか、第三者機能を持たせるために運営推進会議の強化などをぜひ進めていっていただきたいことや、小規模機能内での自立支援を推進していくために、職員の教育や認知症ケアの教育を強化していただきたいこと。それから、小規模多機能への紹介率を上げるためにも、紹介することで、利用者さんにとってこんないいことがあるのだという広報をしていっていただきたいと思います。
それから、利用者の方が小規模多機能に移管されたのですけれども、戻ってきたケースもかなりあると思いますので、こういったケースの改善もぜひ検討していただければと思います。
以上です。
○田中分科会長 御指摘ありがとうございました。
及川委員、どうぞ。
○及川委員 ありがとうございます。
先ほどの定期巡回や小多機、看多機については、本当に在宅生活を継続したいと思われている方にとってはとても大切なサービスであり、必要であると思っております。ただ、いかんせん数がふえていかないことが問題でありますから、この状況を踏まえれば、各事業所の共同運営とか、サテライト展開のあり方を整理すべきだというところであります。この意味合いにおいては、新型多機能というものが示されておりますけれども、そのコンセプトについては理解はできると思います。ただ、大切なのは、やはり現在ある施設、事業所をどのように活用して、その環境を整備していくかを考えることだと思います。
もう一つは、5ページの論点のケアマネジメントの件ですけれども、以前からお話しされているように、小多機、看多機のよさは、随時の状況に合わせたサービス提供ができることでございますので、その機能を最大限発揮させるためには、利用者に最も近い事業所内のケアマネとすることが望ましいと考えます。もし外マネを活用するとした場合にあっては、介護福祉士の実践力が担保されている介護福祉等を、きちんとサービス提供の管理者としてその役割を担うべき対応も担保していかなければいけないのではないかと考えます。
以上でございます。
○田中分科会長 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤(訓)委員 私もケアマネジャーの外づけあるいは内づけの問題につきましては、鈴木委員やほかの方がおっしゃったとおり、内付けによる柔軟性が最大のメリットだと思いますし、これをまた外付けにしていきますと、案外、間接業務が非常にふえて、より一層煩雑になることは懸念されると思っております。
それから、看護職員の確保が非常に難しいという論点が上がっているのですけれども、看護小規模多機能を開始するときに、もともと訪問看護をやっていたというところが事業参入する場合、看護職員の雇用はそんなにハードルは高くないですけれども、小規模多機能から看多機に参入する際に、新規の採用が難しいということなのだろうと思います。しかしながら、看多機の創設の趣旨を考えていきますと、確保が難しいからといって、基準を下げるということにはならないと思っております。
39ページにありますように、事業所内や御自宅でのみとりにきちんと対応するとか、あるいはたんの吸引なども介護職と密度の濃い連携をしながら、適切で安全な管理体制の中でやれていると事業所があります。看多機につきましては「論点」の○の2つ目にありますように、サービスの特性を踏まえた体制のあり方の一環として、看護職員の配置を考えていくべきだと思います。介護職とタッグを組んで連携しながら、みとりや医療依存度の高い方へのサービスをやろうとすると、恐らく看護職員はとても2.5では間に合っておらず、もう少し人材を集めて展開しているのが実態ではないかと思います。むしろ、そういった事業所をきちんと評価して、インセンティブを与えていくほうが、私は看多機の広がりを出すにしても有効な方策ではないかと思っております。
それから、サテライトにつきましては、小多機の並びで考えていくことをぜひ検討していただきたいと思っております。サテライトの設置を認めれば、看多機に参入してくるのかというと、なかなかそこも期待は薄いかもしれないですけれども、資料20ページにありますように、割と規模の大きな自治体でも事業所数としてはまだ少ない状況ですので、ニーズがあってもサービスの利用ができない自治体もあるかと思います。サテライト設置を認めることによって、地域の看多機のサービス拠点が少しでもふえる、あるいは事業者にとっても効率的な運営体制で供給量をふやすことが期待できるのではないかと思っております。
事業開始時支援加算につきましては、確かに経営状況は改善しているというデータは、参考値ながら出ていますが、42ページの下のグラフですと、やはり事業所をつくった後、利用者がある程度定員を満たすまでには相当収支的にはマイナスも覚悟しなければいけない状況になります。ですので、少しでも看多機への参入をふやすことを考えますと、加算の期間延長も視野に入れた検討が必要だと思いますし、正直、第6期の介護保険事業計画には間に合わなかった自治体もあろうかと思います。設置はこれからの課題なのだということが多くの自治体の実情でもあろうかと思いますので、ぜひ延長の方向で検討していただきたいと思います。
○田中分科会長 瀬戸委員、どうぞ。
○瀬戸委員 まず、5ページの論点についてですけれども、先ほども申し上げましたが、サービス提供量をふやす観点からどう考えるかということですが、事業所、利用者、他のサービスの提供の実態等も含めて考えるべきで、単に数をふやすということではないと考えています。その意味では、先ほど東委員からも出ていましたけれども、現にある人材とか設備といった資源を有効活用していく観点が必要だと思います。
特養においては、専門職を含めて多くの人材が働いていますし、この意味では特養の空床や通所介護といった施設に、既にある設備を利用して、小規模多機能的な事業者としてみなす運用があってもよいと思います。そうすることで、特養の職員も地域により積極的に出かけるようなスタイルをとることもできると思いますので、検討していただければと思います。また、デイサービスの機能強化も必要だと思います。
2つ目の○で「看護職員の雇用が難しい」という論点がありますけれども、これは介護の世界だけではなくて、地域の看護職員の全体の数も含めて考えなければいけないと思います。2006年の診療報酬改定での7対1が創設されて以来、地域の看護師さんが一気に減った感がありますので、これはここの議論ではありませんけれども、地域全体を見た中での影響も含めて審議するべきだと考えております。
次に、6ページの論点ですけれども、1つ目の○に関しましては、特段取り扱いを分ける意義はないかと思いますので、どちらかにそろえた形で差し支えないのではないかと思っております。
3つ目の○に関してですが、時限措置になっていることと収支差率を考えてみれば、あくまでも参考値ということでございましたが、延長の必要性はないと考えております。
それから、論点ではないですが、先ほど、鈴木委員、東委員からもありました、新型多機能サービスに関してですが、私もこれに関しては反対の意見を述べたいと思います。
理論的に言えば、小規模多機能をつくった厚労省の提唱した意図に反しているものだと思いますし、先ほど鈴木委員もおっしゃられたように、小規模は認知症ケアに有効だということ、多機能は、生活環境、人間関係の変化によるBPSDの悪化や、リロケーションダメージを軽減するという考え方があったもので、定員を拡大し地域に広げるというのは全ての理念に反すると思います。前回、意見を述べさせていただきましたが、定員50名というのは小規模としてはあり得ないと思います。
また、中重度のサービス提供と言っていますが、今回の資料ではちゃんと出ていませんけれども、さまざまな調査で比較してみると、小規模多機能の平均介護度は2.3、看護小規模多機能でも3.0であるほか、障害高齢者の自立度や認知症自立度を比較しても比較的軽い方がいますが、このような実態なのになぜ新型多機能を提供することで中重度対応ができるのか、理解に苦しむところです。
また、先ほども出ていましたが、地域偏在のこともありまして、小規模多機能事業所は確かにふえていますが、看護小規模多機能は22ページにあるように、都道府県に1つあるか、多くても30ですので、こういうことを改善するのが先であり、新たなサービスを創設する意図がわからないと思います。
ということで、この提案自体は全く整合性のない、利用者不在の仕組みであると思いますので、検討の余地はないと考えています。
以上です。
○田中分科会長 本多委員、どうぞ。
○本多委員 5ページの4つ目の論点、小規模多機能型居宅介護と他のサービスとの併用についてですが、参考資料の11ページを見ますと、訪問リハビリ等が多いことが示されています。質問になりますが、「医療保険」の枠に「訪問看護ステーション」とありますが、これは具体的にどういったサービスを受けているものが多いのでしょうか。
○三浦振興課長 ありがとうございます。振興課長でございます。
医療保険のほうの訪問看護は使えるという前提になっておりますが、例えば、がんの末期ですとか、短期的に集中的に医療依存度が高まるような場合に医療保険の訪問看護が、通常であれば御案内のとおり65歳を超えておりますので、在宅サービスは介護のほうの訪問看護が優先となります。それの例外としての医療保険を御利用いただいていると考えるとすれば、具体的な措置内容ですとか、どのサービスが提供されているかというものは今は手元にないのですけれども、御利用者像の典型例としては、がん末期の患者さんといった方が考えられるかと思います。
○本多委員 今回、同時改定ということで、医療と介護の連携が非常に大きなテーマにある中で、看多機は医療と介護が両方提供できるサービスとなっていますが、実際としては看護師が不足して設置も少ない状況となっており、今までどおりに介護のほうで訪問看護を行うのがいいのか、そのような点を踏まえ、医療と介護の連携をいかに効率的にやるのかということを考えていくべきなのではないかと思います。こういう一つ一つのサービスを見ていくと、そこの論点だけで終わってしまいますが、地域において医療と介護を無駄のないような形で効率的にどのようにすみ分けをしていくのかという観点が必要ではないかと思います。
あわせて、6ページの論点の2つ目の、看多機の看取りについてですが、資料を見ますと、看取りの割合は正直に言って少ないと感じています。本来は医療職がいて、介護のほうでもきっちり看取りを行うのであれば、中医協との意見交換会でも非常に重要な課題になっていたと思いますが、しっかり評価していかなければいけないと思っております。
あと、小多機に関連しますが、参考資料の4ページに「看取り期の連携体制の構築」ということで加算が設けられておりますが、これは具体的にどういった要件で加算されているのですか。
○田中分科会長 振興課長、お願いします。
○三浦振興課長 ありがとうございます。振興課長でございます。
たしか前回の改定で新しく設けられた仕組みでございまして、要件は通知の中で細かく規定しております。典型的なのは、例えば24時間の連絡がつく体制をきちんととってほしいですとか、あるいは管理者を中心として、みとり期における対応方針を事業所内でしっかり決めておいていただく。その中には、医師あるいは医療機関との連絡体制をどうするかですとか、あるいは登録されている利用者との話し合いによる同意、意思確認をどのようにやっていくかですとか、そういうプロセスも含めて作成し、徹底している。あるいはケアカンファレンスなどをしっかりしている。このような要件は幾つか定めているところでございます。
○本多委員 わかりました。
以前から申し上げておりますが、看取りを行やったときに、当然プロセスやストラクチャー評価はあるかと思いますが、今後は、アウトカムで評価していくことを考えていかないと、介護の看取りも進んでいかないのではないかと思います。
○田中分科会長 ありがとうございます。
伊藤委員、石田委員の順でお願いします。
○伊藤委員 伊藤です。
小規模多機能型居宅介護と看護小規模多機能型居宅介護について、両方共通する意見ですけれども、資料2の5ページ「共通の論点」というところ、請求事業所数や利用者数の現状を踏まえると、サービス供給量を増やすといった検討が必要という話ですが、この請求事業所数や利用者数はあくまで結果であって、今、これを供給している事業所がこれだけあるということでしかありません。どれだけニーズがあるのか、他のサービスが代替しそれで済んでいるのか、という先ほど来からの議論に対しては情報が足りないと思います。
このニーズが全国でどのくらいあるのかという点と、利用者や家族が現在、看護小規模多機能を利用されるに当たってどう受けとめているのか。満足度がそれなりに高いのだろうとは思うのですけれども、先ほどの定期巡回のほうは少し例示としてありましたが、こちらについても利用者家族の情報を少し提供していただいた上での検討が必要だと思います。単にサービス供給量を増やす観点では、登録上限を増やすとか、効率化という話が論点になっていて、そうすると、人員配置基準の引き下げも企図されているのかと考えます。この間の登録上限の引き上げの影響にも留意すべきと思っておりますので、利用者家族の満足度的なものも出していただきたいと思います。人員配置基準の引き下げということはないとは思いますけれども、安全面、サービスの質という観点から極めて慎重に扱うべきだと思っています。
ケアマネジメントの点ですけれども、実際に事業所内でプラン変更がどれぐらいされているのか。確かに柔軟に、臨機応変に事業所内でのサービス提供を行うことでのケアマネジメントの考え方が小規模多機能にはあるのだと思いますが、そういう意味では、どれぐらいプラン変更などをされているのかという情報がありましたら提供してほしいと思います。もし、そういった外のケアプラン、ケアマネによる利用を認めるかどうかを検討するのであれば、小規模多機能事業所のサービスの提供状況を、リアルタイムで共有する必要があると思います。いずれにしても、検討のための材料をもっと提供していただきたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございます。
○鈴木委員 今の話に少しいいですか。
○田中分科会長 関連してですか。
○鈴木委員 はい。
○田中分科会長 どうぞ。
○鈴木委員 小多機がなぜ外部のケアマネジャーではまずいかということで、実例を挙げさせていただきますと、例えば、小多機の利用者で、その日は通いの予定だったけれども、体調が悪くてキャンセルになった場合、内部にケアマネがいますから、直ちに通いから体調確認のための訪問に切りかえたり、独居世帯であれば病院の手配が必要になる場合、病院の送迎はどうするのか、病院内の付き添いはどうするのか、薬の受け取りはどうするのか、病院から帰った後に見守りをどうするのかといった判断が直ちに求められます。職員に余裕がある場合は訪問で対応し、もしくはその日の他の利用者の訪問予定を調整し、時間等を変えて訪問したり、どうしても調整できない場合には家族に対応を依頼したりします。
このように、小多機は、内部にケアマネがいるからこそ柔軟にその日のうちに対応ができるのであって、それが外部のケアマネでできるのであれば、それも検討する余地があるかもしれないけれども、私はもうそれは決着がついている話だと思います。これをまた議論するのは無駄だと思いますし、もっと別の議論をしたほうがいいと思います。
○石田委員 ちょっと補足で、先ほど、論点の5ページ目の最後なのですけれども、小規模多機能と他のサービスとの併用ということで、これは今、鈴木委員が冒頭に御質問されて、御回答があったのですけれども、もう一度、具体的にどのような併用の形があるかを教えていただきたいと思います。なぜかといいますと、先ほどから現にあるいろいろな資源を有効にすり合わせる、もしくは組み合わせる形で、もっといろいろな普及が進むのではないかという御意見もたくさんあって、それは本当にそのように思いますので、具体的な併用の形を少し教えていただければと思います。
○三浦振興課長 ありがとうございます。振興課長でございます。
恐らく手元で何か資料を整理してお示しをしたほうがよろしいかと、伺いながら思いました。基本的には、鈴木委員のほうにも冒頭で申し上げましたとおり、今、さまざまな形での併用も認められているものもあり、その運用改善の中で利用者像に応じて求められる場合に円滑に利用できるようにというのが根っこの発想でありまして、何かしら新しいものを大きくがらがらと変えてといったようなことが今、手元にあるわけではないというところでございます。
○田中分科会長 清水参考人、お願いします。
○清水参考人 ありがとうございます。
まず、新型多機能サービスの創設については、先ほどの鈴木委員、東委員の御意見に賛成です。
5ページの「共通の論点」の1つ目ですけれども、サービス供給量をふやす観点でいえば、既に事業を実施している事業所がサテライト型を運営することも一つの方法と考えられますし、人材の効率的活用にもつながる可能性もあります。そのためにも、看多機におけるサテライト型看多機につきましては、さらなる検証が必要と考えられます。サービスをふやすことが正しいとは限らないと思います。
それから、訪問サービスをより一層充実させる必要があります。訪問体制強化加算の算定率も思うように上がっていない要因には、訪問の所要時間が影響していると思われます。服薬の促し、水分補給、排せつの確認や介助など、比較的短時間の援助は可能ですけれども、買い物や調理、自宅での入浴介助など、時間を要する内容には対応してもらいにくいのが現状であります。この点からも、独居高齢者には必要な支援が十分提供できないため、家族と同居している人が利用しやすい状況になっていると考えられます。
小多機も看多機もですが、訪問サービスの実態について今後調査をした上で、本来の趣旨である認知症高齢者が利用しやすい制度に見直していく必要があると思います。
次に、小多機に関する論点の1つ目ですが、介護支援専門員の配置におきましては、現状の制度に加えて、いわゆる外マネを導入することが共通論点のサービス供給量をふやすことにもつながるのではないかと考えられます。現状、一般在宅サービスから小多機にスムーズに移行できない理由の一つに、介護支援専門員の交代が、利用者から見れば大きな問題になっております。外マネを導入することで、利用者のサービス導入がスムーズに行えるのではないでしょうか。外マネにすることで、サービスの内容にも確認の目が入り、いわゆる事業者都合によるサービス提供を防止することもできます。サービスの柔軟性への対応について、小多機のサービスの範疇であれば、ある程度小多機の事業所に裁量権を持たせ、軽微な変更をすることは可能だと考えられます。
つまり、全体のケアプランは外マネがつくり、個別援助計画の一つとして、小多機援助計画書を作成し、その実績管理、モニタリングは外マネが行うということで、柔軟性も確保され、利用者へのサービスの質も担保されるのではないでしょうか。
マネジメント費に関しましては、外マネの場合、事業所が総合マネジメント加算を算定しない。つまり、この部分の報酬を外マネに給付することで、給付費の膨らみは防止できると考えられます。
次に、2つ目の論点です。ほかに併用するとすれば、実績の多いリハビリか、このサービスではカバーし切れない夜間対応型訪問介護などと考えます。しかし、田部井委員もおっしゃいましたけれども、現状のサービスでも必要な方は組み合わせで利用できるために、これ以上の新たなサービスの種類をふやすことは利用者にとってわかりにくくなると考えられます。
看多機に関する論点ですが、最初の論点は、サテライト型看多機が必要かとも思いますけれども、共通論点で述べましたように、さらなる検証が必要かと思います。
医療依存度の高い利用者への対応や、みとりまでの対応ができる体制を整えることが求められていると思います。論点1のサテライト型とも関連して、看護師の現状のサービス提供量は、看多機内と一般在宅にそれぞれ分けて、その提供量、医療ニーズや処置などの実態把握が絶対に必要だと考えます。
3つ目の論点は、事業開始時支援加算の500単位は、利用者負担にも反映されます。限度額対象外になり、サービス料により自己負担との関係がなくなったことは評価できます。今後も、看多機をふやしていく方向であれば、ある程度のサービス供給量が整うまでの間、継続してもよいのではないかと考えます。また、この加算の目的を考え、定員の一定割合、例えば9割などを達成するまでの間、または開始から1年以内とするなど、利用者数や期間を限定する方法も一つかと考えられます。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
稲葉委員、どうぞ。
○稲葉委員 ありがとうございます。
しつこいようですけれども、小規模多機能型居宅介護の外マネの話を少しさせていただきたいのですが、以前からこの話は出ておりまして、私が記憶するところですと、9年前の給付費分科会でもかなり議論はされておりました。そのときは、小規模多機能型居宅介護がなかなか普及せず、何とか普及させるためにはどうすればいいかということでした。利用される方の多くは、外マネがまず就いて在宅のサービスを利用しているので、小規模多機能型居宅介護に替わると関係が全く切れてしまうため紹介しづらいのではないかという議論もあったわけです。ですので、外マネにすると、利用者との関係が継続されるので紹介しやすくなるという話もありました。
ただ、今となりましては、事業所の数も相当ふえましたし、そこまで切実な事業所を増やすために普及をさせるべきだという課題はないようにも思っておりますので、今、外マネを導入することを特に賛成しているわけではありませんが、外マネが関わるメリットは他の委員も言われておりましたように、外マネが継続して利用者に関わることによってチェック機能が働くこともあります。そして、医療機関との連携などにおきましても、小規模多機能型居宅介護を利用する以前からの連携も調整できるのではないかと考えます。
実際、に小規模多機能型居宅介護のケアマネジャーは介護職も兼務している方がかなり多いと思いますけれど、介護職が将来不足してきたときには、介護職に専念してもらうために外マネが計画を作ることもメリットとしてあるのではないかと思っております。
あとは、緊急時の対応であるとか、日々のサービスの調整については、中の機能として持てばよく、機能を分けることについてはいろいろやりようがあるのではないかと思っております。ですので、今すぐそういったものが必要とは思いませんけれども、将来、状況が変わった中では、また見直しについて検討する必要もあるかもしれないことを意見とさせていただきます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
東委員、どうぞ。
○東委員 今日は定期巡回・随時対応型訪問介護看護、それから小規模多機能型居宅介護と看護小規模多機能型居宅介護が議題なのですが、全てに共通することとして、先ほどニーズというお話をしましたし、ほかの何人かの委員からもニーズという言葉が出ておりました。これらのサービスの今後の提供体制について、『サービス供給量を増やす観点から』と論点に書いてありますが、何度も言いますけれども、本当にそのニーズがあるのかをきちんと精査した上で、こういうサービスの供給量を増やさないと、介護保険料はどんどん増えてしまいます。
厚労省にお願いしたいのは、ニーズ調査をするときに、例えば、定期巡回・随時対応型訪問介護看護で、「24時間連絡がつくといいですか?」と聞けば、誰だって「いい」と答えるに決まっています。そういう調査をするのではなくて、例えば、ケアマネにケアマネジメントをしていて、「今使っているデイケアやデイサービスのサービスでは限界がありますか?」、「この近くに看護小規模多機能型居宅介護があれば、この方の場合は非常にいいですか?」とか、「この地域に小規模多機能型居宅介護事業所が必要ですか?」とか、「定期巡回、随時対応型訪問介護看護があればこういう方の場合は助かった。」とか、現場を一番良くわかっているケアマネに詳しいニーズ調査をして、これらのサービスについて、どのようなニーズが今の日本の中にあるのかをきちんと整理していただきたい。
○田中分科会長 ありがとうございます。
田部井委員、どうぞ。
○田部井委員 新型多機能についてなのですけれども、これを提唱した地域包括ケア推進研究会について、ネットで見ればわかることだというのであれば回答は結構なのですが、もしネットに載っていないようでしたら、代表者の方と、厚生労働省の方も加わっておられるのか、もしお答えをいただけるようでしたら、お答えいただきたいと思います。
○田中分科会長 お答えできますか。
○三浦振興課長 振興課長でございます。
厚生労働省自身が関与しているかと言われると、答えはネガティブでありまして、直接関与していることではありません。繰り返しになりますけれども、私どもは先日、分科会でこの議論があった中で、委員の方から御議論が提起されて、具体的に何が議論の対象になっているかがわからないのではないかと思って、このたび、アプローチして資料を取り寄せておつけしたものでございます。
組織体としては、資料に書いてございますが、「地域包括ケア推進研究会」という名称で、24人の委員の方あるいはその顧問、オブザーバー、事務局の担当の方という形で構成されていることは承知しており、顧問の方で厚生労働省に過去に在籍された方がいらっしゃることは確認しております。
○田中分科会長 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 少し話が切れているのならお話しさせていただきたいのですが、きょうはいろいろなサービスの名前が出てきたのですけれども、定期巡回も長いので省略しますが、サ高住あるいは看多機、小多機が出てきたのですけれども、類似点と同じようで違うというところを少し整理してみたのでお話しさせていただきます。
まず、定期巡回とサ高住が似ているところは、どちらも不適切事例があるのに、まだ全く是正されていないことです。ただ、定期巡回のほうは余りふえていませんからまだ罪は軽いのですが、サ高住はふえていますから、これは前回、蒲原局長も次の改定で是正しますというお約束をいただいたので、それを期待したいと思います。
次に、定期巡回、小多機、看多機の類似点は、伸びが少ないということですが、定期巡回は私は机上の理論をそのまま全国展開しようとしたところに問題があると思います。北欧では確かにやっているわけですけれども、先ほども言いましたように、それは三交代です。それをオンコール体制でやろうというところに問題があるし、日本にはほかのサービスもいろいろあるわけですから、これは建て付けに問題があると思います。ヨーロッパを見ても、イギリスやドイツやフランスにこういうサービスはありません。大陸側から見ると、北欧は地方の特殊なところというか、より社会主義国に近いイメージがあると聞いております。日本型という意味では、小多機は日本で生まれたすぐれたサービスだと思いますので、これを伸ばすべきではないかと思います。
小多機や看多機がなぜ伸びないのかという話ですけれども、これについては、小多機を創られた方が、つい最近まで厚労省にいらしたわけですけれども、グループホームの二の舞にはしないとして、赤字になってもやる気があるところにやってもらえばいいのだとおっしゃったのです。そういう気骨のある方が少し前まではいらしたことを懐かしく思い出しますけれども、いいも悪いもなくただ増やせということではなくて、きちんと問題点を是正しながら、適切なサービスが伸びるようにすることがどうしてできないのか。診療報酬なら必ず批判が出ますから、在宅医療は26年度に改定で是正が入ったのです。介護報酬も30年度改定でに是正が入らなければ、次はその3年後ですから今から4年後になります。その間にサ高住がどれだけふえてしまうか。もう取り返しのつかないことになりますし、財源も本当に食い潰しかねない。それをやらないのであれば、私は改定をやる意味がないと思います。ぜひ今回きちんと対応していただきたいと思います。
最後に看取りについてですけれども、介護分野でも看取りを行うということで、看多機の話が出ておりますが、だからといって介護や看護だけで看取るのではなくて、看取りというのは人が亡くなるわけですから、当然、かかりつけ医の関与が重要になってきます。これはぜひ医療と介護の連携という視点で、かかりつけ医の役割として訪問診療をしっかり入れることを前提にしていただきたいと思います。
以上です
○田中分科会長 現役の方にも気骨がある方はおられると信じましょう。
○鈴木委員 期待したいと思います。
○田中分科会長 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤(訓)委員 先ほど、本多委員から、資料39ページの看多機のみとりについては、少ないのではないかという評価でしたけれども、私は66%というのは結構やっていると思っています。資料39ページで、利用の終了理由として、約2割弱が「ほかの介護保険サービスに移行」とあります。私どもが看多機のモデル事業を実施したときに、医療機関から在宅に戻るために、退院後に一旦看護小規模多機能を使って、多職種が関わって、嚥下や食事のトレーニングをしながら薬の調整などを経て、看護小規模多機能ではなくても在宅のほかのサービスで過ごせるまでに自立する、いわゆる看多機卒業のパターンがあったのです。この19%にはそれが含まれているのではないかと思っておりますので、次回以降の資料で結構ですが、どういったサービスに移行していったのかもお示しいただければと思います。
○田中分科会長 間利子参考人、お願いします。
○間利子参考人 6ページの最後の事業開始時支援加算ですが、これは経営実態調査の結果や、政策的な効果なども踏まえて検討するということでよろしいかと思うのですが、もともと29年度末までの時限措置だというところを基本に、廃止も選択肢から排除せずに検討していただければと思います。
○田中分科会長 堀田委員、どうぞ。
○堀田委員 きょうの定期巡回も小多機、看多機のほうも共通で包括報酬のサービスだと思っていますが、こうした多機能で、特に後半の小多機、看多機の場合は多形態のサービスを本人の状況に応じて柔軟に組み合わせるというものを包括報酬でというのは、裁量度が高まり得ると思います。ただ、諸外国の例を見ていても、包括型の報酬のサービスを普及していく上では、アカウンタビリティーをどれだけ担保していくかが並行して問われているというのがよく挙げられる論点でもありまして、今回は特段は挙がっていませんけれども、どういう目的に基づいて、どういうアセスメントをして、どういう介入をしたらどんな成果が得られたのか。それに向けた御本人、御家族と専門職の役割がある程度見えていないと、事業者側は出し控えるとか、御本人は過剰に必要とすることが起き得ると思いますので、この後、これからずっとやっていく中で、ケアマネジメントの質の見える化についても議論があるかと思いますけれども、今回のような2つのサービスの想定で普及を考えるときにも、アカウンタビリティーは論点のセットとして考える必要があるのではないかと思います。
以上です。
○田中分科会長 単なる事業種別の違いだけではなくて、支払い方式の違いが含まれているので、プラスしてアカウンタビリティーも考えるべきだということですね。ありがとうございます。
小林委員、どうぞ。
○小林委員 看護小規模多機能について意見を2点申し上げたいと思います。
サテライト型事業所について看多機と小多機で異なる取扱いとなったのはそもそもどういう理由なのか。もし、小多機と別に解する特段の理由がないのであれば、サテライト型事業所として設置することも許容されるのではないかというのが1点目です。
2点目ですが、事業開始時支援加算については、既に小多機では廃止されており、今後、介護事業経営実態調査における看多機の収支差率も踏まえ、そのあり方を検討していくべきではないかと思います。
以上です。
○田中分科会長 前段は御質問ですか。看多機にサテライトがないのはなぜか。
○小林委員 はい。改めてお聞きします。
○鈴木老人保健課長 老健課長でございます。
看多機のサテライトについてでございますが、もともと小多機のほうが先につくられていて、小多機についてはサテライトができたのですが、看多機はできたばかりということもありましたので、そのときにはまだサテライトの導入がなかったのです。まずは本体をつくってから、今後はどうするかということもありました。そういった経緯がございまして、看多機についてはサテライトの概念が入っていない状態になっています。
○田中分科会長 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 看多機のサテライトということは、本体よりも要件を緩和するわけですよね。小多機のサテライトは小多機の要件を緩和したのだからそのようになるのでしょうが、そうすると、看多機のサテライトと小多機の本体の関係はどうなるのか。徐々に要件を緩和していくのかもしれませんけれども、そのような議論は、小多機と看多機の機能の違いを余り捉えていない見方ではないかと思います。
私は看多機は機能が非常に重いと思うのです。ですから、単にサテライトをつくって増やせばいいということではなくて、まず看多機の本体をしっかり運営し、小多機の要件のサテライトで医療ニーズの高い方がいたら本体に移して看ることを考えるべきではないかと思います。
○田中分科会長 松田委員、お願いします。
○松田委員 きょう出てきた定期巡回、随時にしても、小多機も看多機も本来は在宅でできる限り長い間過ごすことができることを目的に導入された制度だと思うのですけれども、きょういただいた資料だけだと、実際にこの制度を導入したことによって、どのくらい在宅で過ごせる時間が長くなっているのかが見えにくいのだろうと思います。多分、そういう観点からデータを一回つくっていただいて、本来の目的を果たしているのかどうかの検討が必要かと思います。
特に、看多機の場合には、データをきちんと分析してからまたお話ししたいと思っていますけれども、かなり在宅確率を高めているのかと思っています。入院の終了もかなりあるのですけれども、恐らく入院のほうに行ってかなり早い時期に亡くなっている方が多いのだろうと思います。ぎりぎりまで在宅や看多機にいらっしゃって、入院で亡くなっている方が多いということであれば、本来の目的を果たしていることになりますので、ケアのパスがどうなっているかを含めて一度データをつくっていただくと、もう少し踏み込んだ議論ができるのではないかと思います。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございます。
一わたりよろしゅうございますか。
○亀井委員 その他よろしいですか。
○田中分科会長 では、ただいまの議論については終わったようですので、どうぞ。
○亀井委員 2000年に介護保険制度がスタートして、もう15年以上経過するのですが、これは国民運動となってこないのが非常に残念だと思っているのです。こんな状況で2025年以降の山というか、供給体制がきっちりなっていくのかという心配をいたしていて、その中で2014年に確保法がスタートしましたが、この法律が期待しているのが医療、介護への住民参加でございます。これは御当地医療であったり、御当地介護であったり、御当地地域包括ケアであったりするのですが、これは地域づくりと一体的なものでございまして、ソーシャルキャピタルの醸成を図っていかなければならない。その意識づけのためには、保険外サービスをもっと充実していかなければならないと思っていまして、それはここで議論する問題ではないのですけれども、それがあって初めて共生社会の意識へとつながっていくのではないかと思っているのです。
実は、介護保険の新規の認定の中で、いきなり要介護4とか5があるというのです。この統計の資料は中央会議で持っていられるのですけれども、今まで健診を受けられていないとか、医師にかかったことがないとか、これはどのような地域なのだろうと思ったりするわけです。コミュニティーがしっかりされていないというか、そういう状況にあるのかなと思いました。こういう状況を避けるのに地域づくりはきっちりしていかなければならないと思っていまして、そのためには保険外サービスを我々としてももっともっと取り組んでいかなければ、そこから入っていかなければできてこない。こんな思いをしています。
本多委員がいみじくも申されましたが、医療と介護の重複給付ですけれども、これは相当数あるわけです。これをチェックしていこうと思ったら大変です。これはレセプトが何十万とあるわけでして、そこに印は打ってあります。この方は医療ですが、介護も使われていますよと。これは手作業です。何百人と雇ってこんなことはやっていられないのです。そういうことがありますから、これをID等の利用の促進を進める、マイナンバーで個人が医療と介護を結びつけるものを開発してやっていかないといけない。手作業で突合をやっていたのではもたない。このような大きな課題があるということです。これは感想です。
○田中分科会長 御指摘ありがとうございました。
本日の審議は、ここまでとしたいと存じます。
次回の予定について、事務局から説明をお願いします。
○鈴木老人保健課長 次回につきましては、また追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 本日は、これにて閉会いたします。
どうもありがとうございました。