管理会計は、なぜ必要か。
分かっていたことではありますが、医療法人、社会福祉法人、株式会社、それぞれに経営が難しい時代になって来ました。12月7日には、2018年診療報酬改定の基本方針(案の概要)が示され、改定に当たっての基本認識が3つ示されました。
1 人生100年時代を見据えた社会の実現。
2 どこに住んでいても適切な医療・介護を安心して受けられる社会の実現(地域包括ケアシステムの構築)。
3 制度の安定性・持続可能性の確保と医療・介護現場の新たな働き方の推進。
要するに、① で、国は、国民が100歳になっても責任を持って、最後まで面倒をみますと宣言し、そのため、③ で、制度の持続可能な状態に保つために、お金がかからない仕組みを作ります。そして、運営は ② の地域包括ケアシステムにしますと言っています。そのためには、2018年の診療報酬改定は、以下のようにします、と具体的な内容が提示させることになります。
医療法人、社会福祉法人、株式会社の経営者は、これから先に待っている、サバイバル時代が見えているはずです。それは、地域医療構想を元に法律として定められました。その法律により、地域性による進捗の違いはありますが、従来の自由競争時代から、総量規制、供給縮小、統合・合併の時代にパラダイムシフトしています。
そんな時代の経営は、もはや、品質が一定以上であること、患者・利用者本位であることを前提として、今までに無い、法人経営に必要な価値観を持つことが不可欠となりました。
WJUはこれからのサバイバル時代に他の法人よりも優れていることが必要と考えている、8つの経営要素についてコンサルティングをご提供しています。
1 優秀な職員の育成
2 営業戦略・営業活動
3 ブランディング戦略
4 IT、ICT、AI化
5 人材獲得・職員獲得
6 管理会計
7ファシリティマネジメント・購買・コスト削減
8 育成型人事制度
これからの経営に欠かせない、この8つの経営要素についてコンサルティングの中で、法人経営の要になって行くのが、管理会計です。管理会計の現状分析を行うと、法人経営の健康診断を行うのと同じように、数字で法人の健康状態を掴むことが可能になります。
以下、管理会計を初めて導入した法人さんの事例です。
ある法人で、管理会計のコンサルティングに入りました。入って3か月、こんな報告書を作成しました。「財務の外向きに数字を調整するのは理解します。ただし、それをそのまま内部に持ち込み、事実を曲げて、委任契約者である理事に報告するのは、背任行為で、善管注意義務に抵触すると考えます。決算の曲げて数字で、OOOの赤字を隠し、OOOの赤字だけを大きく取り上げるやり方は、経営者としてあってはならないことです。この事実を監事に報告すると共に、理事会と評議員会による判断をいただく必要があります。」
ここの法人さんは、今まで、長い間、ずっと作られた数字を信じ、その数字を基にして経営計画を立てて来ました。そして、今回、管理会計を導入することで、初めて真実が見えたのです。結果、問題点が可視化され、改善点が具体的に理解され、目標値が設定できるようになりました。目標値は、パーセンテージだけではなく、人数で可視化することができ、具体的な計画にすることを可能にしたのです。
管理会計の仕事で入って分かることは、単純に間違える。思い込みと思い違い。意図的に数字を操作する。など、いろいろな場面に遭遇します。そして、これが常態化してしまい、本当ことがいつの間にか、わからなくなっていく負のスパイラルがあることに気づきます。これは、本当に怖いことですが、往々にして、よくあることなのです。
事例を使って、具体的にお話しします。
頑張ります。